Visual Basicアプリケーションの移植

REAL Software社は水曜日にREALbasic 5.5 Professional Editionをリリースした。REALbasic 5.5では、Visual BasicソースコードをLinux環境下でコンパイルすることができる。

REAL社の社長/CEOであるGeoff Perlmanは次のように語っている。「デスクトップLinuxはしばらく前からホットなトピックだった。足りなかったのはアプリケーションだ。これまでは、デスクトップソフトウェアを作成するための良いツールがあまりなかったのだ。」

Perlmanによれば、これは既存のVisual BasicアプリケーションをLinux環境に迅速に移植できる初めての商用アプリケーション開発ソフトであるそうだ。「Linuxユーザにとって最大の利点は、この製品によってLinuxとWindowsの同一化が大きく進むということだ」と彼は述べている。

Professional Editionには、データベースサーバ接続のためにLinuxデスクトップとサーバアプリケーションの両方をサポートする機能が含まれている。Standard Editionには、チーム開発の機能は含まれていない。リモートデバッグ機能を使用すると、Linux用に設計されたアプリケーションをWindowsまたはMacintosh OS XのIDEからデバッグすることが可能である。

「たとえばWindows上でリモートデバッグを有効にすると、アプリケーションをコンパイルしてLinuxデスクトップに保存し、そのアプリケーションを実行した後に、再びWindowsに戻ってデバッグすることができる」とPerlmanは説明している。

REALbasic 5.5はx86プラットフォームのLinuxに対応しており、具体的なディストリビューションとしてはRed Hat Enterprise LinuxとSUSEが挙げられている。その他のLinuxディストリビューションでも、GTK +2.0ライブラリおよびCUPSライブラリがインストールされていれば使用できる。

現時点のProfessional EditionにはLinux IDEは付属していないが、今年後半にはリリース予定とのことだ。さらに、Linux IDEのリリース時にはプラグインのソースも公開する予定らしい。Perlmanはこう語っている。「Linux版のどの部分をオープンソースコミュニティに公開するかはまだわからない。本製品の一部は、Quesa 3DグラフィックスライブラリやGDKライブラリと同様に既にオープンソースである。実際に、これらのプロジェクトではオープンソースコミュニティに貢献を行ってきた。」

REALbasic 5.5の新機能としては、VB Project Converter(テーブル、フォーム、コードをREALbasicに移行するためのツール)や、SOAPサポートなどがある。XML標準にはXMLパーサ/ジェネレータを通じて対応している。追加のAPIサポートには、DOMレベル2のサポート、Xpath、XSLT、名前空間のサポート、ドキュメント作成、イベントベース解析がある。

また、SELECTステートメントに関してはSQL-92準拠が実現され、さらにWindowsおよびMac上ではOracle 8i/9iにネイティブアクセスできるようになっている(Linuxでは不可)。現在LinuxでサポートされるデータベースはPostgresのみだが、まもなくMySQLもサポートされる予定だ。REAL社によれば、数ヶ月のうちに追加のデータベースプラグインをリリースする予定ということだ。

REALbasic Professionalの小売価格は400ドルである。100ドルのStandard Editionもあるが、Standard EditionではLinuxへの移植機能が完備されていない。どちらの製品もREAL SoftwareのWebサイトから購入することができる。同社によれば、この新製品は2週間以内に小売店に並ぶそうだ。

REALbasic 5.0 Professionalのユーザは170ドルでアップグレードすることができ、それより前のバージョンのユーザは200ドルでアップグレードできる。その他のアップグレードプランもさまざまな価格で用意されている。無料のトライアル版はREAL Softwareのデモ版のページからダウンロードできる。