Longhornの正式名称は「Windows Server 2008」――ゲイツ氏、WinHECの基調講演で明らかに。発売時期は2007年下半期の“予定”

 米国Microsoftのビル・ゲイツ会長は5月15日、米国シアトルで開催されている開発者向けコンファレンス「WinHEC 2007」において、「Longhorn」の開発コード名で知られていた次期サーバOSの正式名称を、「Windows Server 2008」に決定したと発表した。

 ただし、発売時期については「2007年下半期予定」としただけで、その明確なスケジュールは明らかにしなかった。

 Windows Server 2008の発売時期は、非常に重要な意味を持つ。なぜなら、同社はWindows Server 2008の“目玉機能”とも言うべき「仮想化ハイパーバイザ(開発コード名:Viridian)」を、初回の出荷版には搭載しないことを明らかにしているからだ。

 同社では、ViridianをWindows Server 2008の出荷から180日以内にリリースするとしているが、Viridianの初回版では以下の機能は非搭載になる。

  • 稼働中の仮想マシンを物理サーバ間で切り替えるライブ・マイグレーション機能
  • ストレージやプロセッサ、メモリ、ネットワーク・カードを動的に追加できる機能

 これらの機能の具体的なリリース時期は明らかにされていない。

 なお、正式名称の発表に伴い同社は、Windows Server 2008 ベータ3の検証・評価を支援することを目的に、IT技術者向け情報サイト「TechNet Windows Server TechCenter」において、約2,000ページに及ぶWindows Server 2008の技術資料の公開を開始した。

 2008年7月で経営の第一線から退くことを表明しているゲイツ氏にとって、WinHECでの基調講演は今回が最後となる。同氏は講演の中で、今年1月にリリースされたWindows Vistaの出荷本数が累計4,000万本に達したことを明らかにし、Windows Vistaの堅調な売れ行きを強調した。

 「2001年に発売されたWindows XPとWindows Vistaの発売後100日間の出荷本数を比較すると、VistaはXPの2倍のペースで出荷されている。ユーザーの反応も非常に良好だ。われわれは VistaがPC市場に新たな活気をもたらすものと予想していたが、そのとおりになった」(ゲイツ氏)

 さらにゲイツ氏は、2008年までにはサーバやPCをはじめ、すべてのデバイスに64ビット版OSが提供されることになるという考えを明らかにした。なお、Microsoftは今後、自然言語インタフェースを開発し、各種のデバイスに積極的に採用する予定であるという。

 またゲイツ氏は、今後ユーザーが情報を効果的に活用するためには、(プロプライエタリ)ソフトウェアと(オンラインで提供される)サービスの融合が重要であるという見解を示し、「ソフトウェア“プラス”サービス」というアプローチが必要になると語った。

(ジョン・フォンタナ/Network World オンライン米国版)

米国Microsoft
http://www.microsoft.com/

提供:Computerworld.jp