Cisco、データセンター向けリソース管理プラットフォームを発表――物理リソースを一元管理し、仮想サービスとしてプロビジョニング

 米国Cisco Systemsは7月24日、カリフォルニア州アナハイムで開催中の年次コンファレンス「Networkers」(7月22日~26日)において、データセンターの物理リソースの一元管理とプロビジョニングを行う「VFrame Data Center」を発表した。

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VFrame Data Centerのリリースは今年8月の予定。当初はアプライアンス・ハードウェアとして1台6万ドルで販売される

 VFrame Data Centerは、データセンターにあるネットワークやストレージなどの物理リソースを一元管理し、仮想サービスとしてプロビジョニングする管理プラットフォームである。同社は「VFrame Data Centerがデータセンターの物理リソースを一元管理するため、リソースの効率的な使用や、(仮想化されたリソースへの)アプリケーションの迅速な導入が可能になる」としている。

 また同社は同日、新戦略「Data Center 3.0」も発表した。これは、企業のビジネス・ポリシーやITポリシーに応じた、データセンターの効率的なリソース管理を支援するというもので、前出のVFrame Data Centerがその中核を担うことになる。

 そのほかにもCiscoは、以下のような新製品を発表した。ただし価格やリリース時期などの詳細は明らかにしていない。

MDS 9222i Multiservice Modular Switch
 SAN(Storage Area Network)を拡張するためのスイッチ製品。リモート・オフィスやブランチ・オフィスへの複数のプロトコルを介した接続を提供する。

Storage Media Encryption
 基盤システム・ソフトウェアの「Cisco SAN」と組み合わされ、レガシー・テープやレガシー・ディスク上のデータの暗号化機能を提供する。

Data Center Assurance Program
 データセンター・ネットワークの設計/実装/運用の分野で、IT管理者を支援するテスト・プロジェクト。

 なおCiscoは今後、IBM、EMC、HPなどと協力し、データセンター・オペレーションの合理化などに取り組む方針だという。

 Yankee Groupでアナリストを務めるゼウス・ケラバーラ氏は、「VFrame Data Centerは、Ciscoにとっても顧客にとっても重要な製品となる」と指摘する。

 「VFrame Data Centerは、大規模企業が何千台ものサーバやスイッチ、ストレージ・デバイスを管理するのに役立つだろう。仮想環境の拡大に伴い、仮想化されたリソースの管理は非常に難しくなっている。CiscoはVFrame Data Centerによって、単なるネットワーク機器ベンダーからITベンダーへと躍進するだろう」(ケラバーラ氏)

(マット・ハンブレン/Computerworld オンライン米国版)

米国Cisco Systems
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提供:Computerworld.jp