Google、企業向け「Google Earth」のアップグレード版をリリース――ブラウザ上での表示とマッシュアップが可能に

 米国Googleは7月26日、「Google Earth Enterprise」のアップグレード版をリリースした。Google Earthは、衛星航空写真や地図、3Dの地形図などを組み合わせた、地図表示ソフトウェアである。企業向けのGoogle Earth Enterpriseは、企業のデータをGoogle Earthのデータと結合したり、独自のデータ・セットをホスティングしたりすることが可能。今回のアップグレード版は、2次元(2D)地理空間データを、Webブラウザ上で閲覧することが可能となっている。

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「Google Earth Enterprise」アップグレード版を利用すれば、Google EarthをWebブラウザ上で表示することが可能。価格は2万ドル~

 従来のGoogle Earth Enterpriseは、衛星航空写真や地形レンダリングなどの地理空間データを表示させるために、Googleが提供するプロプライエタリな専用3Dクライアントが必要だった。

 一方アップグレード版では、「Google Maps API(Application Programming Interface)」(特別版)を利用することで、Google Earth EnterpriseとほかのWebアプリケーションとをマッシュアップすることができる。

 アラバマ州の国土安全保障局は、今回のアップグレード版に関心を寄せている。すでに同局は、州政府機関が地理空間情報を編集/共有/表示する共通ツールとして、Google Earth Enterpriseを使用している。

 同局で科学技術担当アシスタント・ディレクターを務めるノーベン・ゴダード氏は、「WebブラウザからでもGoogle Earthを利用できるようになったことで、さらに多くのユーザーが(Google Earthを)活用できるようになる」とコメントしている。

 ゴダード氏によると、アラバマ州には170の自治体機関があり、約1,300人の職員がGoogle Earth Enterpriseを使用しているという。「大量のデータと地図情報を統合させ、その情報を基に“決定”を下せるような地図表示ソフトを探していた」(ゴダード氏)

 ちなみにゴダード氏は、「米国陸軍ミサイル防衛司令部・ベンチャー局ディレクター」という肩書きも持っている。

(ホアン・カルロス・ペレス/IDG News Service マイアミ支局)

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提供:Computerworld.jp