仮想世界:企業利用でのリスクをアドバイス 米Gartner

 米Gartnerは8月7日(英国時間)、「Second Life」などの仮想世界サービスの利用では、企業はセキュリティとリスク管理の観点から、慎重に検討すべきだというアドバイスを発表した。オープンな仮想世界が持つ問題点や危険性を正しく理解することが必要としている。

 企業がPRや市場調査を目的として、Second Life内への“支店”開設したり、イベントを開くケースが増えているのを受けた。同社によると、仮想世界がもたらしうるリスクとして、「IT関連セキュリティ」「認証とアクセス管理」「守秘」「ブランドと評判」「生産性」の5つがあるという。

 「IT関連セキュリティ」は、クライアントソフト自体に危険がなくとも頻繁にアップデートされると管理上の問題が起こりうるというもの。「認証とアクセス管理」は、1人のユーザーが複数のアバター(仮想世界内の分身)を作れるため身元の特定が困難となり、共同作業を行う際の問題となる。

 さらに、「守秘」は機密情報をやり取りして外部に漏れる危険。「ブランドと評判」は、ブランド企業には仮想世界の活動が悪影響を及ぼす可能性があること。「生産性」は、仮想世界をリソースの無駄遣いと考えて、早まった結論を出してしまうこと、という。【高森 郁哉/Infostand】

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