2007年国内CRM市場199億円、中堅以下企業にSaaSとOSSで浸透

 矢野経済研究所(本社:東京都中野区)は2007年9月6日、2007年の国内CRMライセンス売上高(エンドユーザ渡し価格ベース)が、前年比28.5%増の199億1500万円に達するとの予測を発表した。SaaSモデルの低価格なものや、オープンソース型CRMが広がりつつあるという。

 同社によると、2006年の売上高は前年比22.1%増の154億9900万円。2007年以降も年平均20%程度の伸びを記録し、2010年には2006年の2倍強である343億5000万円達すると予想している。なかでもSaaS・ASP型CRM市場は、2006年の32億3000万円から、2010年には3倍以上の116億8000万円に拡大し、全体の3分の1を占めるまでになるとみている。

 導入企業の面では、大企業ではエンタープライズ・アプリケーションの導入が一巡しており、未導入の率が高い中堅以下の企業の攻略が重要であると指摘。こうした企業では、低価格なサービスを実現できるSaaSやオープンソースが魅力的なソリューションになるとしている。

 SaaSモデルが同市場に旋風を巻き起こしたことで、多くの企業が低価格なCRMを体験しているほか、オープンソース型CRMも販路を広げ、ユーザーを獲得しつつあるという。こうしたユーザーの評価が、今後の市場動向に影響を与えるだろうとしている。【鴨沢 浅葱/Infostand】

矢野経済研究所
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