BEA、TPモニタ新版「Tuxedo 10.0」をリリース――SALT新版とトランザクション追跡製品も同時出荷

 米国BEA Systemsは10月2日、トランザクション処理(TP)モニタの新版「Tuxedo 10.0」をリリースした。新版では、SOA(サービス指向アーキテクチャ)環境でのTuxedoアプリケーションのサポートを強化したほか、最新の暗号化技術を導入しセキュリティ機能の向上を図っている。

 Tuxedoは、銀行や政府機関、電気通信企業などで広く採用されているTPモニタで、C、C++、COBOLで開発されたアプリケーションをサポートする。

 BEAでは新版のリリースに合わせてネットワーク・リンクでのSSLのサポートを追加しており、今後はTuxedoドメイン全体でSSLを使用できることになる。「一般に広く受け入れられている標準をサポートした。これまでは当社独自のプロプライエタリな暗号化技術を使っていた」と、同社Tuxedo担当製品マーケティング・ディレクターのロレンツォ・クレモナ氏は語っている。

 Tuxedo新版は、AES(Advanced Encryption Standard)をベースとする最新のパスワード暗号化機能も備えている。また、Active Directory、LDAP、RACF(Remote Control Access Facility)など、一般的なディレクトリとの相互運用性や認証機能も新たにサポートした。

 さらに、IBMのメッセージング・ミドルウェア「MQSeries」にTuxedoを直接接続するための双方向アダプタが追加されている。このアダプタは、メインフレーム環境との接続にBEAのeLink技術を使用する(eLinkは開発が打ち切られていたが、今回、Tuxedoの一部として復活した)。

 同アダプタは、Tuxedoを介してメインフレーム・アプリケーションをSOA環境下に拡張するときにも使用できる。このアダプタにより、Tuxedoはメインフレーム・アプリケーションの移行プラットフォームとして機能する。

 BEAはTuxedo 10.0と同時に、Webサービスを介してTuxedoアプリケーションにアクセスできるようにするミドルウェアの新版「Services Architecture Leveraging Tuxedo(SALT)2.0」もリリースした。

 SALT 2.0は双方向のWebサービスをサポートするため、TuxedoアプリケーションをWebサービスとして呼び出せるほか、外部アプリケーションの呼び出しも可能だ。また、Webサービスのセキュリティ仕様である「WS-Security」にも対応している。

 BEAは同日、Tuxedo対応のパフォーマンス監視/追跡フレームワークとなる「Tuxedo System and Application Monitor(TSAM)1.1」もリリースした。同フレームワークは、エンド・ツー・エンドのトランザクション監視および追跡機能を提供する新製品である。

(ポール・クリル/InfoWorld オンライン米国版)

米国BEA Systems
http://www.bea.com/

提供:Computerworld.jp