米Gartner、「クラウドコンピューティングは成熟まで数年を要する」

 調査会社の米Gartnerは6月26日(米国時間)、クラウドコンピューティングに関する報告書を発表、クラウドコンピューティングの現状と将来について分析した。クラウドコンピューティングはeビジネスと同様に大きなインパクトを持つが、成熟には数年を要するとまとめている。

 Gartnerは「クラウドコンピューティング」を、「インターネット技術を利用し、拡張性を持つIT関連機能がサービスとして複数の顧客に提供されるコンピュータスタイル」と定義している。これにより、ITを利用するユーザーはサービスの実装を気にすることなく、どんなサービスが利用できるのかにフォーカスできるという。

 現在、クラウドコンピューティングという用語はまだ混乱と矛盾があり、提供されるサービスもさまざまだという。Gartnerは主として、コンピューティング、ストレージ、CRMなどの業務アプリケーションなどを挙げている。

 ITベンダーの成熟度もばらつきがあり、コンシューマにフォーカスした企業の方が成熟度が高いという。クラウドコンピューティングがITベンダーに与える影響は膨大であり、米Amazonや米Wal-Martのように個人向けと企業向けの2つのブランドを持つことは収益増に有効とアドバイスしている。

 だが、現時点ではクラウドコンピューティングは進行形のコンセプトであり、企業や個人ユーザーが複雑な機能を利用できるようになるのはまだ先とまとめている。

米Gartner
http://www.gartner.com