米Gartner、100ドルノートPC実現には最低3年が必要

 米Gartnerは7月28日(米国時間)、100ドルノートPCの実現には少なくとも3年が必要という見解を示した。今後2~3年で10~15%の価格減は可能だが、価格にフォーカスしすぎると他の問題を見過ごしてしまうと警告する。だが、ミニノートPCそのものは、教育用途以外にもコンシューマ、ビジネス分野で高い可能性を秘めているという。

 マサチューセッツ工科大学(MIT)Media Labの「One Laptop per Child(OLPC)」プロジェクトなど、途上国における教育を最大の目的とした安価なミニノートPCについて調査し、レポートにまとめた。

 それによると、現在製造されているミニノートPCはいずれも100ドル以上のコストがかかっており、少なくとも今後2~3年は「(100ドルという価格目標は)現実的ではない」と予想している。需要増と部品価格の低下により、今後2~3年で10~15%の価格低下は可能だが、パッケージ、アセンブル、ソフトウェアなどのコストは下がりそうにないと見ている。

 むしろ、100ドルというコスト目標にフォーカスしすぎると、ハードウェア仕様、電源供給、インターネット接続環境、適切な支払い方法などの問題が見過ごされかねないと警笛を鳴らす。また、アフリカなど一部地域でのパイロットにより、端末以外の支出への財務支援、教師と生徒へのトレーニング計画、コンテンツ開発などの課題が明らかになったとも述べている。

 ミニノートPCは、途上国向けのもの以外にも、台湾ASUSTeK Computerの「Eee PC」などコンシューマやビジネスユーザーをターゲットにした機種が登場している。これについては、コンピュータ端末としてではなく、インターネット端末として位置づけるべき、とアドバイスしている。そして、ミニノートPCは今後も開発が加えられる分野で、あらゆる地域のコンシューマやビジネスユーザーに受け入れられる可能性がある、とまとめている。

米Gartner
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