FSF、GPL違反で米Ciscoを提訴
フリーソフトウェア支援団体のFree Software Foundation(FSF)は12月11日(米国時間)、自分たちに属する著作権を侵害したとして米Cisco Systemsを提訴したことを明らかにした。Ciscoは無線ルーターブランド「Linksys」で、GNU General Public License(GPL)などのライセンスを遵守していないと主張している。
訴訟は、FSFの弁護団となるSoftware Freedon Law Centerが米国地方裁判所ニューヨーク南部地区で起こしたもの。
FSFによると、Ciscoは複数のLinkysys無線ルーター製品で、FSFが著作権を持つプログラムをライセンスを遵守せずに利用しているという。具体的には、GNU Compiler Collection、GNU Binary Utilities、GNU C Libraryなどのプログラムで、多くはGPLの下で公開されている。GPL以外のものは、GNU Lesser General Publicを採用しているという。
これらライセンスでは、そのライセンスの下で頒布されているプログラムを改変、共有することを認めており、プログラムを再頒布する際にソースコードを告示することを要求している。FSFによると、Ciscoが、関係あるソースコードを顧客に告示することなくソフトウェアを頒布している事例がたくさんあるという。
「われわれのライセンスは、ソフトウェアを利用する人が自由に改変できるように設計されている。この権利を実行するには、ソースコードが必要だ。ソフトウェアを利用し、共有し、必要にあわせて改変できる権利を保護するために、われわれはライセンスを強制している」とFSFの設立者で会長のRichard Stallman氏は述べている。
FSFによると、Ciscoのライセンス遵守に向け、2003年よりCiscoに協力してきたという。だが、遵守プロセスがいっこうに完了しなかったことから、今回の法的手続きに至った、と背景を説明している。
Free Software Foundation(FSF)
http://www.fsf.org