スパコン:演算回数、毎秒1000兆回を実現へ 米Cray

 米Crayは15日(米国時間)、米オークリッジ国立研究所のスーパーコンピューター「Jaguar」の能力を増強し、08年末までに1ペタFLOPS(1秒間の演算回数が1000兆回)を実現すると発表した。成功すれば、米IBMの「BlueGene/L」(ピーク時で約360テラFLOPS、1000テラ=1ペタ)を抜き、最高記録を塗り替える。日本では、その10倍の10ペタFLOPSを目指す計画があり、覇権争いが激化しそうだ。

 Jaguarは経済性を重視し、米AMDの汎用プロセッサ「Opteron」やLinuxで構築したクラスタ型。現在の能力は約25テラFLOPSで、世界スパコン番付で10位に食い込んでいる。プロセッサをデュアルコアに切り替えることで、年末までに100テラへ増強。さらに、07年末に250テラを実現し、08年末に目標を達成する。

 スパコン分野では、日米欧が激しい競争を展開。04年秋までは、NECの「地球シミュレータ」(約40テラFLOPS)が世界最速を誇った。しかし、その後、IBMのBlueGene/Lが100テラを突破。現在は、さらに1ケタ上の1ペタを目指し、各社がしのぎを削っている。【南 優人/Infostand】

[Jaguar]
http://info.nccs.gov/resources/jaguar