RIAAをターゲットに定めた反DRMキャンペーン

デジタル著作権管理(DRM:Digital Rights Management)の反対キャンペーンを推進するDefective By Design(発想からして欠陥)は現在、支援者たちに向けて6月23日金曜日の行動への参加を呼びかけている。今回の呼びかけは、同キャンペーンの支持者がRecording Industry Association of America(RIAA)などの各国に存在する関連団体に電話をかけ、DRMに対する抗議を直接訴えるというのがその趣旨だ。抗議電話の成果については、他の参加者との間で確認しあえるようにする予定だという。

Defective by Designのマネージャを務めるGregory Heller氏によると、同キャンペーンの最初の2回の活動は「消費者が直接的に遭遇するであろうDRMの推進企業をターゲットにしました」ということになる。最初のイベントではWinHECの開催中を狙ってMicrosoftをターゲットに定め、2回目のイベントでのターゲットはAppleであった。同キャンペーンの登録支援者は、わずか数週間の間にゼロから3,000名近くにまで増加している。同氏によると、金曜日に予定されている活動では「関連団体のトップ」をターゲットに定めたという。

「DRMテクノロジといっても様々ですが、今回のステップは大元の推進組織の1つを狙ったものです」と同氏は語る。「狙いは、消費者はDRMなど必要としていないことをよく理解してもらうことですね。そのことを、元締め的な組織に直接訴える訳です」。

なおHeller氏はRIAAなどの組織について語る際に、「もちろん責任を有しているのは、ここだけではありません。ハードウェアの製造元や音楽のオンライン販売業者も、そうした責任を負っているはずです。あちらの言い分は、RIAAの指示に従って私どもはXとYとZをしているだけです、といったところでしょうが、そんなものは原案レベルの話に過ぎないことは誰もが知っていることです」と補足している。

Heller氏によると今回のイベントの特長は、実際の影響を受けるユーザの声を直接RIAAに聞かせることにあるという。「RIAAには消費者と呼べる人たちが存在しないので、そうした意味で世間から隔絶しています。また消費者側もWindowsやAppleのiTunesを使うだけで、RIAAと直接かかわる機会はまずありません。(RIAAは)誰に対しても責任を負っておらず、少なくともエンドユーザのことなど眼中にないでしょうが、エンドユーザは彼らの活動に不満を抱いているのだぞ、という意見を大きな声でハッキリ伝えようというのが私たちの目的なのです」。

RIAAなど関連企業への連絡先については、Defective by DesignのWebサイトに金曜日に掲載される予定とのことだ。Heller氏によると、カナダ、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカの参加者向けの情報が用意されるという。

電話による抗議声明についてだが、Heller氏によると「今回の参加者には、電話をかけた成果を報告してもらう予定です。参加者からのメッセージを投稿してもらうシステムを金曜日までにはWebサイト上に立ち上げるつもりで、そこには抗議の電話をかけた相手先、応対時の感触、そして相手が何を言ったかを書き込んでもらいます。寄せられたメッセージについては、私たちが目を通しますので、後日に集計値などを公開できるでしょう」とのことだ。

Heller氏によると、こうした参加者の得た反応を活動サイトに投稿してもらうという手法は、MoveOnTrueMajorityなどのやり方を参考にしたという。「RIAAなどの組織の人間がどのように反論したかを、みんなで聞くのは楽しいと思っていますよ」。

もっともHeller氏自身が認めていることだが「RIAAがどんな反応を返すのかは、よく分からないですね」というのが現状だ。「こちらの希望としては、人々の意見に耳を傾けてもらうことと、それらは批判意見のフィードバックなのだと受け止めてもらうことです。もちろん、電話の向こう側にいる相手が不適切な応対をしてくる可能性もありますし、それがRIAAがエンドユーザに対してとる態度なのかも見極めたいですね」。

「これは私の予想ですが、ある時点で(RIAAの外線システムが)受信専用の電話メッセージに切り替わるかもしれませんね」とHeller氏は語り、「それでもRIAA側に揺さぶりをかけることには、何らかの意味があるでしょう。あの組織はいろんな意味で自ら引きこもりを決め込んでいるようなものなので、自分たちの活動が人々にどのような影響を与えるかを、少しは自覚すべきでしょう」としている。

詳細についてはDefective By DesignのWebサイトを参照して頂きたい。また今回の活動についてのページには、友人への参加を呼びかけるためのフォームも用意されている。

Bruce Byfieldは、コースデザイナ兼インストラクタ。またコンピュータジャーナリストとしても活躍しており、NewsForge、Linux.com、IT Manager’s Journalに定期的に寄稿している。

NewsForge.com 原文