Microsoft、コミュニティ開発サイト「CodePlex」を正式オープン

 米Microsoftは6月27日、5月から試験運用中だった開発者向けコード・シェアリング・フォーラム「CodePlex」のWebサイトを正式に公開したと発表した。

 CodePlexは、Microsoftが運営する共有ソースおよびオープンソース・プロジェクトのためのコミュニティ開発サイト。Microsoftのコミュニティ・ソース・プログラム担当ディレクター、ジョン・ローゼンバーグ氏は、「われわれは開発コミュニティとのコラボレーションを図りながら、さまざまな意見をコミュニティ・プロジェクトに反映させる“場”を提供したいと考えている」と語る。

 同サイトは、開発者がソースコードを修正したり、開発したりするオンライン・コミュニティに似ている。これまで自社製品のソースコードを公開しないことで批判され続けてきたMicrosoftだが、近年はオープンソース開発者に対して友好的な姿勢を示すようになった。

 CodePlexサイトには任意のライセンス条件でコードを投稿することができる。一方、Microsoftは、複数のライセンス条件を用意した同社の「シェアード ソース イニシアティブ」のライセンス・プログラムの下、一部のソースコードを提供していく方針だ。

 同社は昨年10月、シェアード・ソースのライセンス条件を刷新・単純化し、今日までにシェアード・ソース・ライセンスで750万行のコードを公開している。

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 オープンソース陣営の開発者へのアピールをねらってか、CodePlexサイトの外観は、Microsoftの他のサイトに見られるような派手さはなく、比較的落ち着いたデザインに仕上っている。また、ページ上部には淡緑色の「CodePlex」の見出しが表示されるが、Microsoftのロゴは掲載されていない。この点について、ローゼンバーグ氏は、「サイトのデザインを含め、より中立的なブランディングが適切であると考えた」と説明している。

 同サイトは主に、ソフトウェア開発者に役立つものになる。

 CodePlexサイトでは、今年3月にリリースされたコードの共同開発やバグ追跡が可能なソフトウェア統合開発環境「Visual Studio 2005 Team Foundation Server」を活用して、コードをチェックアウトし、再びチェックインするといったことが可能となっている。これにより、異なる場所にいる複数の開発者が同じファイルを修正することもできるという。

 ローゼンバーグ氏によると、これまでのところ同サイトに投稿されたコード開発プロジェクトの数はおよそ35で、Microsoft以外の開発者らによって開始されたプロジェクトは全体の半数以上に上るという。

 一方、Microsoftが投稿したプロジェクトには、同社のAjaxベースの開発プログラミング・フレームワーク「Atlas」用の新しいコントロール群や、Visual Studio 2005用の開発ツール群「Power Toys for Visual Studio」などがある。そのほか、SQL Server用のツールやIron Python(.NET版のPythonプログラミング言語)用のツールなども投稿されている。

 なお、CodePlexサイトにコードを投稿したり、修正したりするには、同サイトへの登録が必要となる。

(ジェレミー・カーク/IDG News Service ロンドン支局)

米Microsoft
http://www.microsoft.com/

CodePlex
http://www.codeplex.com/

提供:Computerworld.jp