FLOSSWorld: 世界規模のオープンソース/フリーソフトウェア開発者・参加者調査

本サイト読者の皆さんの中には、3年前に行われた「オープンソース/フリーソフトウェア開発者オンライン調査日本語版」、通称FLOSS-JP調査にご参加下さった方々もいらっしゃるのではないだろうか(紹介記事)。この調査は、日本におけるオープンソースコミュニティの実態を明らかにし、オープンソース、フリーソフトウェア開発活動をより活性化することを目的として実施された調査であった。調査は2ヵ月間のオンラインアンケート調査を中心として実施され、合計547名の関係者の方々から集められた回答が分析された。分析の結果は「オープンソースと政府」ウェブサイトで公開されているので、興味のある方はぜひ参照してみてほしい。

ところで、FLOSS-JP調査そしてその後に続けて私たちが実施したFLOSS-ASIA調査(FLOSS-ASIAは東アジア〜東南アジアを対象としたものである)は、もともとオランダのマーストリヒト大学情報経済学国際研究所(MERIT, Maastricht Economic Research Institute on Innovation and Technology, ※ 現在は国連大学の一組織に改組されている)の R.A. Ghosh らによるFLOSS調査(“FLOSS Survey and Study”)およびFLOSS調査の続編として実施されたスタンフォード大学経済政策研究所(SIEPR, Stanford Institute for Economic Policy Research)によるFLOSS-US調査がもとになっている。

そのMERITが中心となり、昨年から2年間のプロジェクトとして実施されている新しいプロジェクトがFLOSSWorldである。このFLOSSWorldプロジェクトは、世界規模でオープンソースソフトウェアやフリーソフトウェアに関するプレーヤの意識調査を行い、FLOSSに関する世界規模の連携強化を目指すものである。

FLOSSWorldプロジェクトには、世界各国から17の参加組織、5つの協力組織、8つのオブザーバ組織の計30組織が参加している(図)。当初のFLOSS調査は、FLOSS開発者やコミュニティ参加者の実態を明らかにするというものであったが、FLOSSWorldプロジェクトでは対象を拡げ、以下の4つの分野に向けたオンラインアンケートが用意された。

  • 参加者と開発者
  • 企業
  • 高等教育機関(管理職向け / システム管理者・IT教育担当者向け)
  • 政府(地方自治体、外郭団体等)

このなかで、本サイト読者の皆さん向けのオンラインアンケートは「参加者と開発者」だろう。この調査は、前回のFLOSS調査の結果を踏まえて新しくアンケートを設計しなおしたものである。例えば前回の調査では、FLOSSコミュニティには女性の参加が極端に少ないという結果が出ていた(FLOSS-JP調査においては、女性の参加者はなんと2%にすぎなかった!)。そのことを考慮して、今回の調査では「FLOSSコミュニティと女性」に関する設問がいくつか用意されている。

FLOSSWorldオンライン調査への参加方法は以下のとおり。

  • 1. 参加者と開発者アンケートページをアクセス
  • 2. 9ヵ国語列挙されている言語から、日本語を選択
  • 3. 「開始」をクリックして、アンケートへの回答を開始

今回のアンケート調査の結果は、地域的な比較と前回からの比較といった点で非常に興味深い。ただし、今回新たに用意した質問に加えて前回との比較のための質問も数多く用意されており、全体として盛り沢山のアンケートとなってしまった点はやや心苦しいところである。全部で53問ものアンケートとなっており、回答に時間がかかる点はどうかご容赦願いたい。

FLOSSコミュニティ参加者および開発者の皆さんの積極的な参加をお待ちしています。

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