Leopardのデフォルト・ファイルシステムはZFS――SunCEO、Appleの“秘密”を事前リーク、一部ブロガーは「Mac OS X Serverのほうが先」と懐疑的

 米国Sun MicrosystemsのCEO、ジョナサン・シュワルツ氏は6月6日、Appleが今秋に出荷を予定している「Mac OS X 10.5」(開発コード名:Leopard)のデフォルト・ファイルシステムに、従来のHFS+(Hierarchical File System Plus)に代わってSolarisのZFS(Zettabyte File System)が採用されると語った。しかし、Appleの動向に詳しい一部のブロガーは、この情報に懐疑的な見方を示している。

 ZFSは、Sunが自社OSのSolaris用に設計した128ビットのファイルシステムで、オープンソース・ソフトウェアとしてライセンスされている。ZFSはプールド・ストレージなどの機能をサポートしており、ボリュームやパーティションなどのストレージ・パラメータに気を遣うことなく、ドライブをプラグインして簡単にストレージ・スペースを増設することができる。

 シュワルツ氏は、自社の新型ブレード・サーバに関するプレゼンテーションの場で、「ZFSは、ボリューム管理が不要でパフォーマンスも非常に高い。また、ディスク・ドライブが故障しても大丈夫だ」と語った。

 現在、AppleのOSにはHFS+が使われている。HFS+は、1985年に登場したHFSの拡張版で、1998年から同社のOSに採用された。

 AppleのCEOであるスティーブ・ジョブズ氏が昨夏に、Leopardに搭載予定の新しいバックアップ機能「Time Machine」を披露して以来、ZFSがHFS+の後継になるのではないかという見方が広がっていた。しかし、その後数カ月が経ち、ZFSとTime Machineのつながりに言及する業界関係者はほとんどいなくなった。

 ZFSに関するシュワルツ氏の発言が飛び出した後も、ブログでの論調は、LeopardにおけるZFSの位置づけに懐疑的だ。StorageMojoの主宰者であるロビン・ハリス氏は、「HFS+のときと同様、AppleはまずMac OS X ServerにZFSを搭載し、そのあとで一般ユーザー向けに導入するというのがわたしの見方だ。今後もこの見解を変えるつもりはない」と述べている。

 しかし、Sunの関係者は、ZFSがLeopardのデフォルト・ファイルシステムになると確信しているようだ。

 Sunのグローバル・エデュケーション/リサーチ担当テクノロジー・ディレクター、マーク・ハミルトン氏は、同社のブログに、次のように記している。

 「シュワルツは、ZFSがLeopardの新しいデフォルト・ファイルシステムになるという発表をAppleが行うと発言した。これは、当社にどのような影響を与えるのか。答えは簡単だ。ZFSがLeopardに採用されることを知ったMacのディベロッパーは、この技術を使いこなす方法を理解しようと、 Sun Fire X4500などの当社製品に興味を示すだろう」

 一方、Sunの広報担当者は6日、ZFSがLeopardのデフォルト・ファイルシステムになるという点について否定も肯定もしなかった。「シュワルツが本日発言した以上のことは何も言えない」

 Appleも、未発表の製品や機能についてはコメントできないとしている。

 Leopardについては、6月11日から開催されるWWDC(Worldwide Developers Conference)の基調講演で、ジョブズ氏が大々的に取り上げる予定であり、とりわけこれまで発表されていなかった機能に注目が集まると見られている。ことによると、シュワルツ氏は、この講演の衝撃力をそうとは知らずに削いでしまったのかもしれない。

(グレッグ・カイザー/Computerworld オンライン米国版)

米国Apple
http://www.apple.com/
米国Sun Microsystems
http://www.sun.com/

提供:Computerworld.jp