モバイルインターネットを牽引するのはエンタメではなく実用性?

 米IBMが5月21日(米国時間)に発表したモバイル端末とインターネットに関する報告書によると、消費者の多くはモバイルインターネットを使いたいと思っているが、価格や伝送速度などが障害になっているという。また、自分の端末で利用するインターネットサービスを自分で設定したいと思っている消費者が過半数を上回ることもわかった。携帯電話でもPCと同じ傾向が見られるという。

 IBMは、世界数カ国の消費者約700人に対し、モバイル端末でのインターネット利用について聞いた結果をまとめ、「Go mobile, now」として発表した。

 調査では、「現在のモバイルインターネットに満足している」と回答した人はわずか20%にとどまった。69%が「自分のモバイル端末でのインターネット利用を自分で設定したい」と回答、78%が「サービス事業者にすべてのサービス/アプリケーションを提供してほしい」と回答するなど、カスタマイズやパーソナライズできるオープンな携帯端末を望んでいることがわかった。これは、PCと同じ傾向といえる。

 利用したいモバイルインターネットサービスは、地図(「非常に興味ある」41%)、IM(同31%)、電子メール(同30%)、オンラインバンキング(同28%)などの有用性のあるサービスが上位を占め、「モバイルTV」(同27%)、音楽ダウンロード(同19%)などのエンターテインメント系を上回った。ブラウジングは27%だった。

 モバイルインターネットを利用しない要因としては、価格が高い(50%)、伝送速度が遅い(40%)、便利とは思わない(37%)が上位にあがった。

 モバイルインターネット・サービブランドでは、最も人気(「魅力的なモバイルサービスを提供している」と回答)だったのがGoogle(44%)、以下Yahoo(43%)、Nokia(40%)でトップ3を占めた。だが、「特定のブランドを好んでいない」も60%あった。

 調査では、モバイル端末メーカー(MDM)の課題として、モバイルインターネットでチャンスはあるが、「既存の強み(ハードウェアとソフトウェアの統合、ISPやモバイルオペレータとの関係)を増大し、消費者のニーズに応じることができるかどうか」が鍵を握る、とまとめている。

米IBM
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