EclipseベースのIDE「MyEclipse 5.0」の最終プレビュー版が公開

 米ジェニュイテックは7月7日、Eclipseベースの統合開発環境(IDE)「MyEclipse」の次期リリース「MyEclipse Enterprise Workbench 5.0」(以下、MyEclipse 5.0)のプレビュー版を公開した。これは第2マイルストーン・リリース(M2)と呼ばれるもので、完成版に搭載されるほとんどの機能が備えられている。完成版は8月にリリースされる見通しだ。

 MyEclipse 5.0では、Ajax(Asynchronous JavaScript+XML)、JavaServer Pages、Strutsなどの技術をサポートしており、ユーザーは複数の技術を使ってWebアプリケーションを開発できるという。

 MyEclipse 5.0の特徴の1つは、インタフェース・ビルダである「Matisse4MyEclipse」が組み込まれていること。これは、Eclipseと競合関係にあるNetBeansコミュニティが推進するGUIビルダ技術「Matisse」をベースに開発されたものだ。

 Matisseの採用について、ジェニュイテックの社長、マーヘル・マスリ氏は、「当社はEclipseプラグイン環境をベースに、開発元を問わないベスト・オブ・ブリードの開発手法を採用している。MatisseはたまたまNetBeansが開発元だった」と説明している。

 また、MyEclipse 5.0では、一連のウィザードとインタフェースを通じてWebサービスの短期開発を支援するフレームワークが提供される。このフレームワークはオープンソースのSOAPフレームワーク「XFire」をベースとしている。

 さらに、リッチで動的なWebアプリケーションの開発をサポートするAjax拡張機能や、「Struts 1.2.X」フレームワークとその拡張機能「Tiles」(ユーザー・インタフェースを構築するためのStrutsのコンポーネント)などが追加されている。

 その他の特徴としては、次のようなものがある。

  • Eclipse Web Tools Platformとの統合機能の強化
  • マイクロソフトのSQL Serverおよびサイベースのデータベースに対するサポート拡張。トリガやストアド・プロシージャの利用機能の追加など。
  • テーブル・データの直接編集機能を搭載。これにより、複数のテーブルを同時に編集することが可能になるという。
  • LinuxまたはMac OS Xが稼働するクライアント・システム上でのMyEclipseビジュアルWebデザイナー・ツールのサポート。

 MyEclipse 5.0のライセンス価格は、スタンダード・エディションが年間31ドル75セント、Matisseサポート、JavaScriptデバッガ、UML機能などが含まれるプロフェッショナル・エディションが年間52ドルになる予定。

 ジェニュイテックによると、MyEclipseの既存のバージョンは、すでに約27万人の開発者に利用されており、ボーランドの「JBuilder」やIBMの「WebSphere」などのIDEと競合しているという。

(ポール・クリル/InfoWorld オンライン米国版)

米ジェニュイテック
http://www.genuitec.com/

提供:Computerworld.jp