Fedora Core 6のダウンロード、たった74日で100万件を突破

Fedora Core 6(Zod)のダウンロードがリリース後たった74日で、100万件を突破した。同プロジェクトのリーダーが、このほど明らかにした。10週以上にわたって毎分9件のダウンロードが続いている計算になる。

Fedoraチームでは、Cacti(データを収集しグラフ化するオープンソース・ツール)を使ってダウンロードの状況を調査している。このツールは、単にFC6がダウンロードされた回数を数えるのではなく、yumでチェックインしたIPアドレスを重複を除いて計数する。Cactiを採用した理由について、Fedoraプロジェクトのリーダー、Max Spevackは、fedora-announceメーリング・リストで次のように説明している。「この方が、単にダウンロード件数を見るよりも現実に近い数字が得られます。FC6をインストールしアップデートの有無を調べるために我々のサーバーに再接続したケース、つまり本当に『インストールしたケース』を数えているからです」

今のところ、Cactiを使って計数しているのはCoreパッケージだけで、Fedora Extrasやその他のパッケージのダウンロードについては調べていない。Spevackによると、Fedora 7のリリースまでに、新たに追加する計数対象を検討し決定することになる。

FC6の数字には、Spevack自身も驚いていると言う。何といっても、それ以前のリリースには統計自体が全くと言っていいほどなかったのだ。2005年6月にリリースされたFedora Core 4には統計データは事実上ない。2006年3月にリリースされたFedora Core 5の場合もBitTorrentのダウンロード件数だけだ。これに対して、1月7日現在のFC6のダウンロード件数は、すでに、FC5がリリース以来積み上げてきた全BitTorrentトラフィックの3分の2を超えている。FC4とFC5に比較可能な数字はないが、Spevackは「これまでのFedoraリリースのどれよりも速く100万件を突破したと考えても、まず間違いないでしょう」と述べている。

Spevackによると、FC6を巡る狂騒には理由があるという。「(まず第一に)Fedora Core 5が十分に浸透していたこと。これが、Fedora Core 6に対する強い関心の下地になっています。Fedora Core 5は活発なコミュニティーを持ち、世評も高く、優れたディストリビューションです。ユーザーが多く、しかも『平均的な』Fedoraユーザーは新版がリリースされればアップグレードするものです」

「(第二に)RHEL(Red Hat Enterprise Linux)5が間もなく出ること。RHELやそのリビルドのユーザーであれば、Fedora Core 6がそうしたディストリビューションの正に予告のような存在だということを知っています。そうした人たちは、おそらく、次のRHELを占うためにFedoraを試用するでしょう」

もちろん、Spevackは、これまで適切な調査システムがなかったために数字に表れてこなかった長年のFedoraユーザーの存在がこの数字に表れていることも認識している。

Spevackによると。この新しい計数システムが順調に稼働しているのは、システム/ネットワーク管理者Mike McGrathによるところが大きいという。McGrathは、自らの時間を大きく割いてFedora Infrastructure Teamに貢献している。「Fedora Core 6の統計を取るための作業の大半は、McGrathが中心になって行いました。しかも、そのほとんどが空き時間(本来の仕事をしていない時間)を使っての作業でした」

Fedoraチームにとって網羅的で正確な数字を収集できたのはこれが初めてのことだ。そのため、ダウンロードの嵐がいつ頂点に達し、いつ下火に向かい始めるのかを予測するのは困難だとSpevackは言う。「私が思うに、FC6はライフサイクルのまだかなり初期の段階にあり、これからアップグレードする人たちが控えています。ですから、まだ暫くはこの状態が続くでしょう。インターネット・サービス・プロバイダーなどでFedoraを使っているところはたくさんありますし、そうした人たちはじっくり腰を据えてシステムをアップグレードしますから」

「これからの2か月間でどれだけの数字になるのか、楽しみです」

NewsForge.com 原文