Digipup:アマチュア無線用LinuxライブCD

Puppy Linuxは、CDやUSBメモリやDVDから起動して利用することのできる、軽量なライブ版Linuxディストリビューションだ。Puppy Linuxの特徴の一つとして特殊用途向けバージョンのPuppy Linuxを新たに作成できるということがあげられるが、アマチュア無線用のDigipupはそのようにして作られたものの一つだ。

 今回DigipupライブCDを使ってみたところ、DigipupはLinux用アマチュア無線ユーティリティを試してみるのにうってつけのディストリビューションであることが分かった。

 今回私は、デュアルコアAthlon 4000+と1GBのDRAMを搭載したAcer AST-180をテストマシンとしてDigipupを試してみた。ブートの際、ビデオサーバとしてX.orgを使用するか、あるいはX.orgよりもサイズが小さく高機能ではないものの高速であるxvesaを使用するかという選択肢が提示された。X.orgの方は選択してもロードすることができなかったため、必然的に今回はxvesaを使用することにした。しかし結果的にはxvesaの性能は優れていて、xvesaのGUIの速さには驚かされてしまった。速度の低下はライブ版Linuxにはつきものの悩みの種だが、DigipupはCDからブートしていることを忘れそうになるほど高速だった。

 Digipupには、Dave Freese氏(W1HKJ)による、非常に人気のあるアマチュア無線用のフリーソフトウェアが3つ含まれている。一つは「Fldigi」で、PSK、RTTY、MFSKなどのサウンドカード・デジタルモードの処理をすることができるプログラムだ。もう一つは「Fl_logbook」で、交信内容を記録するための、サイズが小さく高速で効率の良いロギングプログラムだ。残る一つは「Geoid」で、緯度と経度、またはMaidenheadグリッドロケータを使用して無線局間の方位と距離を計算するプログラムだ。

 Freese氏はまた、以上のようなプログラムをPuppy Linuxのパッケージ形式である「pet」ファイルとしても公開しているため、すでにPuppyライブCDが手元にある場合には、それらのpetファイルをダウンロードし、Freese氏による説明手順にしたがってDigipupを自分で作成することもできる。

Fldigi

 Fldigiを利用すると、トランシーバをコンピュータに接続して、コンピュータのサウンドカードを使ってPSK31、RTTY、MFSK、Olivia、CWといったデジタル信号の送受信を行なうことができるようになる。Fldigiについてより詳しくは、2月に行なったレビューを参照してほしい。

 Fldigiでは、フォント、サウンドカード、オペレータ情報など、非常に多くの設定/調整をする必要がある。もっとも重要な設定項目はおそらくサウンドカードについてだが、フォントについても重要で、適切に指定しなければ送信内容も受信内容もまったく表示されなくなってしまう。音量を適切に設定するためには、「Menu(メニュー)→Multimedia(マルチメディア)→Zmixer」を利用すると便利で、ピーク時の音量をALCによる歪みが出ないように調節する際にFldigiのTune機能を利用することができる。

 Fldigiの最近のバージョンでは、トランシーバとコンピュータとの通信に従来からのHamlibインターフェースを使うこともFldigi独自のRigCATを使うこともでき、私は普段はRigCATを使用しているのだが、どういうわけか今回はトランシーバとコンピュータの通信についてHamlibを使用しなければうまくいかなかった。

Fl_logbook

Digipup screenshot
Digipupの画面(クリックで拡大)

 Fl_logbookは、高速、軽量、シンプルなロギングプログラムだ。Fl_logbookは手動で使用することもできるし、FldigiのSave(保存)ボタン経由で使用することもできる。FldigiのSaveボタンを使用すると、Fldigi上部のパネル内に表示されているデータがFl_logbookに新たな交信記録として書き込まれる。したがってボタンのクリック一つで交信内容をログに追加することができる。

 Fl_logbookではまた、ADIF形式、MultiPSK(LO)形式、MultiPSK(TXT)形式、Fl_logbook独自の .lgb形式でログをインポート/エクスポート/マージすることができる。私は交信記録をXLogからADIF形式でエクスポートして、Fl_logbookにインポートすることができた。

Geoid

 3つめのアプリケーションであるGeoidは、無線局間の距離を計算したり相対的な方位を示したりすることができるシンプルな計算プログラムだ。方位は、日常的には交信しないような遠方の都市とDX交信しようとする時、アンテナをどの方角に向ければ良いかが分からないときなどに役立つ。スクリーンショットに、私の位置から方位角が(真北より)19度、距離として約1,630キロ離れたところにある無線局とDigipupを使用して交信したときの画面の様子を示した(Fldigi、Fl_logbook、Geoidをすべて表示している)。

まとめ

 Digipupを利用すると、Linuxディストリビューションをインストールする手間をかけずに、手持ちの無線トランシーバがFldigiで使えるかどうかを確認したり、既存のログがFl_logbookで読めるかどうかを確認したり、FldigiやFl_logbookやGeoidを気に入るかどうかを確認したりすることができる。DigipupをCDドライブに入れてシステムをブートするだけという手軽さだ。

NewsForge.com 原文