KDEプロジェクト、KDE 3.5.7をリリース

 昨日リリースされたKDE(K Desktop Environment)3.5.7はマイナーアップデートに相当するTranslation and Service Releaseであり、KAddressBookKOrganizerKAlarmのバグ修正が行なわれているほか、KMailのIMAPに関する機能強化など、数多くの改良や修正が加えられている。

 KDEのPIM(Personal Information Management)用スィート「Kontact」の電子メール用コンポーネントであるKMailのユーザには嬉しい知らせがある。KMailでIMAP quotaの取り扱いができるようになり、またKMailでIMAP経由ですべてのフォルダのコピーや移動もできるようになった。KMailではインターフェースについてもいくらか改善が行なわれている。

 KDE 3.5.7ではその他にも、EdutainmentパッケージとGamesパッケージにおいて多数のバグの修正が行なわれている。KDEのインスタントメッセンジャーであるKopeteについては、バグの修正に加えて「チャットの描画について大規模な性能改善」が施された。

 またKDE 3.5.7にはKHTMLとKJSの両エンジンについての改良も含まれている。KDE 3.5.7のプレスリリースによると、リンクをクリックすると新しいウィンドウが開くのかどうかがマウスポインタを見れば分かるという「ユーザビリティ上の興味深い機能」がKHTMLに含まれているとのことだ。

 KPDFでは、リンクの上にマウスをかざすとヒントが表示されるようになったのに加え、複雑なPDF文書をより正確に表示することができるようにもなった。またUmbrello UML ModellerではC#コードの生成が可能になったほか、Java 5 Genericsのサポートが統合されている。

 開発者向けとしては、KDevelopがバージョン3.4.1にメジャーアップグレードされており、多くの改良が行なわれている。KDEのプレスリリースによるとこのリリースには「コード補完とナビゲーション機能の改良、デバッガ・インターフェースの信頼性向上、Qt4のサポート、RubyとKDE4開発のサポートの向上」が含まれているとのことだ。

 KDE 3.5.7 Changelogには、2007年1月25日にリリースされたKDE 3.5.6メンテナンスリリース以来の改良点の詳細なリストがある。KDEプロジェクトによると、KDEの新リリースはLinuxディストリビューションやその他のUnixのほとんどでは、それぞれの次期リリースまで統合されないとしている。

 しかし現在、Kubuntu、Arch LinuxDebian不安定版、Mandriva、openSUSE and SUSE Linux用のパッケージが入手可能になっている。

 なお今月KDEは、10月末に最終リリースが予定されている「KDE 4.0」の最初のアルファ版もリリースしていた。詳しくは最新のリリーススケジュールを参照のこと。

Shirl KennedyはDocuTicker / ResourceShelf ウェブログの編集長。また Information Todayの”Internet Waves” コラムも担当。1992年以来、技術関連の記事を執筆している。

NewsForge.com 原文