Intel、マルチコア対応ソフトの開発を支援するパッケージを発表――最新のコンパイラとライブラリをパッケージ化し並列処理を最適化

 Intelは6月5日、マルチコア・プロセッサ対応のアプリケーションの開発支援に向け、最新のコンパイラやライブラリをパッケージ化した新製品の提供を開始したと発表した。

 今回発表されたのは、「C++ コンパイラ 10.0 プロフェッショナル・エディション」と「Fortran コンパイラ 10.0 プロフェッショナル・エディション」。最新のコンパイラとパフォーマンス・ライブラリ、スレッディング・ビルディング・ブロック(C++のみ)がパッケージ化されており、マルチコア・プロセッサ対応アプリケーションの最適化ができるほか、脆弱性の特定も容易になったという。

 新パッケージでは、3Dやビデオ・アプリケーションのパフォーマンスを向上させる最新のSSE4を含むストリーミングSIMD拡張命令(SSE)をサポートするほか、マルチスレッド・コードを自動生成し、マルチコア・プロセッサの処理能力を活用できる。また、ベクトルおよびスレッド化コードを修正することなしに、ループ変換を自動実行できる。

 米国Intelのグローバル・ビジネス・デベロップメント・ディレクター、ヒル・デ・ラ・ゼルダ氏は、「パフォーマンスの点からも、スケーラビリティの点からも、ディベロッパーはパラレル志向を持たなければ生き残れなくなってきている。新パッケージを使えば、最適化された並列アプリケーションを迅速かつ容易に開発でき、マルチコア・プロセッサのパワーを最大限に引き出せる」と強調した。

 またゼルダ氏は、昨年8月に提供が開始され、今年4月に新バージョンがリリースされたスレッディング・ビルディング・ブロックのメリットをあらためて強調した。同ツールは、マルチスレッド・アプリケーションの構築を支援するC++テンプレート・ベースのランタイム・ライブラリで、あらかじめビルド/テストされたデータ構造とアルゴリズムを提供することにより、高度な並列化とスケーラビリティを実現する。

 「特定の処理に大きな負荷がかかる市販アプリケーションでも、拡張性と移植性を維持したまま高い性能を提供できるよう設計されており、利用できるプロセッサのコア数に応じて効率的にパフォーマンスを向上できる」(ゼルダ氏氏)

 C++ コンパイラ 10.0 プロフェッショナル・エディションの価格は8万9,985円(Windows版、Linux版、Mac OS版)。同パッケージには、コンパイラのほか、マス・カーネル・ライブラリ(MKL)、インテグレーテッド・パフォーマンス・プリミティブ、スレッディング・ビルディング・ブロックが含れている。

 また、Fortran コンパイラ 10.0 プロフェッショナル・エディションは、コンパイラとMKLを同梱したWindows版パッケージが10万5,315円、IMSL数値計算ライブラリを同梱したWindows版パッケージが24万555円。また、Linux版とMac OS版はそれぞれ13万5,345円、10万5,315円となっている。なお、今回からMicrosoft Visual Studioを搭載したVisual Fortran コンパイラー 10.0の提供も開始されている。

(Computerworld.jp)

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