Swfdecが新たにFlash 7ビデオを正式サポート(Flash 8、9は対象外)
新バージョン0.4.3は今のところソースコードしか用意されていないが、開発者でなくても大部分の人が扱えるように配慮された形で提供されている。必要なものを揃えるためにすべきことは、./configure
、make
、sudo make install
だけだ。Swfdecは2つの部分 ― swfdec本体と、swfdec-mozillaというWebブラウザ用プラグイン ― に分かれている。Swfdecをコンパイルするには、Cairo、Pango、Zlib、liboil、Mozillaといった開発ライブラリが必要になる。また、ビデオとオーディオの再生を有効にするために、FFMpegとMADの各ライブラリも必要だ。この2つがなくても、Swfdecのコンパイルはできるが肝心のコンテンツを楽しむことはできない。
コンパイルとインストールが済んだら、FirefoxまたはMozillaでabout:pluginsの情報ページを開いてSwfdecプラグインが検出されているかどうかを確認できる。Swfdecがリストの一番上にあるはずだ。YouTubeのサイトに飛ぶと、Swfdecによってオーディオとビデオがきちんと再生されることがわかる。ただし、今のところ、ビデオの任意のシーンに飛ぶことはできない。
その代わり、ビデオを右クリックすればコンピュータに保存することができる。この素晴らしい機能について知らせる重大発表は、Otte氏のブログのなかで実にさりげなく行われている。
Adobeが自社のFlashオーサリングソフトウェアを販売するためにどんなものを作ってこようとも、正式なプラグインに「保存」機能を追加することはないだろう。だが、youtube-dlの作者はかなりの対抗意識を燃やしているかもしれない。
とにかく、YouTubeでこの機能が使えるのは画期的なことだが、それはYouTubeがFlash 7ビデオコーデックを利用しているからこそ可能なのである。Robin Miller氏の詳しい説明にあるように、Flash 7ビデオはもはや最新のバージョンではない。
フリーソフトウェアのアプリケーションとプラグインはFFMpegライブラリのおかげでFlash 7の再生や作成ができるが、Flash 8およびFlash 9フォーマットに対応したフリーのものはまだ存在しない。このことは、YouTubeの数ある競合サイトの1つblip.tvに行けば確認できる。このサイトは、映像が滑らかな新しいFlashビデオエンコーディングフォーマットを採用している。そのため、音も映像も再生されず、ただ大きな灰色の一時停止アイコンが表示されるだけだ。
ビデオ共有コンテンツでは依然としてYouTubeが圧倒的なシェアを誇っているが、それはたまたまYouTubeがフリーソフトウェアを使って閲覧できるからだろう。もしYouTubeがFlash 8または9のビデオに移行した場合には、そうしたうまい話が続くとは思えない。