Firefoxを自動運転するツール、iMacros

 Firefoxのエクステンション iMacros for Firefox を使うと、Firefoxを自動運転することができる。Webブラウザーで定期的に行わなければならない日常業務がある、開発している最新Webアプリケーションのインタフェースを自動的にテストしたい、毎日1回クリックするだけで訪問したサイトをすべて記録したいといったときに利用できる。

 iMacrosはFirefoxの操作を記録し自動再実行するツールだ。Firefoxのエンジンを利用してFirefox上で行った操作を追跡しスクリプトとして記録する。このスクリプトを保存しておけば、あとでロードして実行したり、コピーして別のコンピューター上で実行したりすることができる。大概の無償Web自動化ツールとは異なり、大方のJavaScriptに対応しており、有償版(500ドル)ならFlash、Java、Silverlightなど、種々のサードパーティー製プラグインもサポートしている(無償版はサポートなし)。

 iMacrosのメーカーiOpusは、Internet Explorer向けの無償iMacrosも提供している。スクリプトは共通に使えるため、たとえば、いずれかでテスト用スクリプトを作成し両方で使うといったことが可能だ。

 iMacrosをインストールすると、メイン・ナビゲーション・バーにボタンが1つ増える。これをクリックするとサイドバーが開き、作成済みマクロの一覧と、マクロを操作するためのタブとボタンが表示される。

 Firefox上の操作をマクロとして記録するときはRecタブのRecordボタンをクリックし、ブラウザーのウィンドウに戻る。これで、その後のすべての操作がスクリプトとして記録されるようになる。iMacrosサイドバーのStopボタンをクリックすると記録は終了する。記録したマクロ・スクリプトはマクロ一覧に#Current.iimという名前で生成されている。スクリプトを実行するときは、PlayタブのPlayボタンをクリックする。自動運転中にスクリプトの実行を中止または一時停止することもできる(該当するボタンを押す)。

 記録したマクロを恒久的に保存しておくときは、RecタブのSaveボタンをクリックするか、あるいは、#Current.iimマクロを右クリックし、表示されるメニューのRenameをクリックすればよい。

 マクロを保守管理することもできる。中でも便利なのはマクロ・スクリプトを直接編集する機能だ。編集したいマクロを選択しEditタブのEdit Macroボタンをクリックすると小さなテキスト・エディターが開き、マクロが表示される。ここでマクロを修正することができる。EditタブのOptionsダイアログでエディターを指定しておけば(エディター以外の設定項目もある)、お好みのテキスト・エディターを使ってマクロを編集することができる。

 もう一つ、マクロを連続反復実行する機能も便利だ。PlayタブのMaxに実行回数を設定し、Play (Loop)ボタンをクリックする。この機能を利用すると、たとえば、サーバー・クライアント型アプリケーションの負荷テストを行うことができる。そのサービスを利用するマクロを複数のコンピューター上で同時に反復実行するのだ。これで、実用環境で処理可能なトラフィックの上限を見積もることができる。

 筆者はiMacrosを常用しており、お陰でテストの時間を随分節約できている。また、見落としていたバグを見つけたこともある。

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Chad Files ソフトウェア開発者で、執筆もこなす。アプリケーション・ソフトウェアの開発経験は10年以上、多くのオープンソース・プロジェクトに開発者として参加している。

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