VMware、XenSourceとMicrosoftの提携を「一方通行」と批判

 米VMwareは、7月18日に発表されたばかりのMicrosoftとXenSourceとの提携を「一方通行」と酷評するとともに、XenSourceがオープンソースの理想に背を向けようとしていると強く非難している。

 MicrosoftとXenSourceの提携は、擬似仮想化されたWindowsとXenSourceのXenハイパーバイザの相互運用の実現を目指したもので、Windows Serverの仮想化レイヤでオープンソースのXenベースのゲストOSを実行可能にすることで、Xenの魅力が高まると期待されている。

 しかし、VMwareは、今回の提携によってMicrosoftのコードがXenハイパーバイザ上で稼働するように最適化されたとしても、MicrosoftとXenSourceが共同開発したコードはオープンソース・コミュニティが有効に利用できるものにはならないと指摘している。

 VMwareの製品およびアライアンス担当バイスプレジデント、ブライアン・ビュン氏は、同社関係者のブログで、「(両社の計画は)一方通行であり、Windows上でLinuxを実行させるのに役立つだけだ」と批判する。

 つまり、Windowsがハードウェアをコントロールしている場合に、Microsoftのハイバーバイザ上でLinuxを効率的に稼働させることができるようになるが、その逆が実現されるわけではないという。

 またビョン氏は、XenSourceがそのオープンソースの理想を捨て去ろうとしていると強く批判、その先にはコードのプロプライエタリ化が待っていると指摘する。

 「XenSourceが、LinuxカーネルとWindowsハイパーバイザとのインタフェースを構築するためには、GPLに準拠しない多くのコードを開発する必要がある」

 さらに同氏は、提携発表のタイミングについてもコメントし、「Windowsハイパーバイザは最初のリリースが2年以上も先であるだけでなく、肝腎のLinuxハイパーバイザ・インタフェースはまだオープンソース・コミュニティで活発な議論が行われている最中であり、将来の相互運用性を今の段階で吹聴するのは明らかに不自然だ」としている。

 同時に、XenSourceとMicrosoftの提携発表には、「主要なLinux商用ディストリビューションやOEM、顧客によるサポートの表明が欠けている」とも指摘する。

 ビョン氏は、VMwareのアプローチは両社のそれとは対照的だとし、「擬似仮想化のための標準的なLinuxインタフェースが早期に登場することで、VMwareとXenを含むさまざまなハイパーバイザ上でLinuxをサポートする方法ができるだけ早い時期に単純化および標準化されることを期待している」と強調する。

 「VMwareは、Linuxカーネルの開発者と協力して、Linuxカーネルが各種のハイパーバイザ上でネーティブかつ効率的に稼働できるようにするオープン・インタフェースの開発に取り組んできた。また、そのようなインタフェースは、あらゆるOS上で利用可能でなければならない」

 すでにVMwareは、標準インタフェースの仕様について提案を行っているという。

(マネク・ドゥーバーシュ/Techworld オンライン英国版)

米VMware
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提供:Computerworld.jp