AMD、新型Opteronチップ「Rev. F」を8月15日にリリース

 米AMDは7月26日、次期デュアルコアOpteronチップの「Rev. F」バージョンを8月15日に出荷開始すると発表した。これにより同社はサーバ向けプロセッサ市場でIntelから奪取したシェアを確保していく構えだ。

 ヒューレット・パッカード(HP)、IBM、Sun Microsystemsなどのサーバ・ベンダー各社は、主力サーバおよびワークステーション製品ラインにRev. Fを採用する見込みだ。Sunでは、現行のOpteronチップに比べて、マルチコア処理、仮想化、ワット当たりのシステム・レベル・パフォーマンスが向上したことを理由に、Rev. Fを2種類のサーバとワークステーションに採用する計画だ。また、DellもOpteronチップを採用したサーバ製品を年内に投入する方針を表明している。

 サーバ向けプロセッサ市場におけるAMDのシェアは4分の1以下程度だが、Opteronチップの売上げは好調だ。

 AMDによると、2006年第2四半期のOpteronの売上高は前年同期比141%増を記録し、これが同四半期の利益を前年同期の1,100万ドルから8,900万ドルにまで押し上げた要因になったとしている。

 米IDCの調査結果によると、2006年第1四半期のサーバ向けプロセッサ市場においてIntelは76.8%のシェアを占有していた。Intelは6月に、65nmアーキテクチャを採用した初のデュアルコア・プロセッサ「Xeon 5100番台」(開発コード名:Woodcrest)を投入し、市場での優位性を堅持しようとしている。

 米インサイト64のアナリスト、ネイサン・ブルックウッド氏は、「AMDのOpteron Rev. Fの勢いは、Intelの新技術によって妨げられる可能性がある。例えば、Rev. FはDDR2メモリや仮想化ハードウェア拡張といった新機能を備えているが、パフォーマンス面では、現行のOpteronからそれほど進歩したわけではない」と指摘する。

 同氏は、Intelが2007年第2四半期にチップ設計を90nmから65nmへ、2コアから4コア・チップへ移行するまで、AMDがサーバ市場で優勢になることはないと予測している。

 IntelはすでにWoodcrestをはじめ、デスクトップ用の「Conroe」、ノートPC用の「Merom」といった「Core 2 Duo」チップで65nm設計を採用している。また、2006年末までにサーバ向けの4コアXeonプロセッサ「Clovertown」とデスクトップ用4コア・プロセッサ「Kentsfield」を投入する計画だ。

 ブルックウッド氏は、「われわれは今後、IntelとAMDによる“馬飛び競争”をサーバ向けプロセッサ市場で目にすることになるだろう」と語った。

(ベン・エームズ/IDG News Service ボストン支局)

米AMD
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提供:Computerworld.jp