Ohio LinuxFest 2006:趣旨、講演、ペンギン

9月30日(土)、コロンバスのダウンタウンにあるGreater Columbus Convention CenterでOhio LinuxFest 2006が開催される。この日、オハイオ全州から仲間と親睦を深めようと数百名のLinux/オープンソース・ソフトウェア・ユーザーが集まる。開催期間はこの日1日だけだが、講演あり、展示あり、懇親会あり。ペンギンの特別出演もある。

参加は無料。ただし、事前登録が必要で、登録受け付けは9月22日(金)まで。また、Holiday Innのカンファレンス・スイートが使えるAll Conference Passが用意されている。価格は65ドル、当日の昼食、懇親会での飲み物引換券、Ohio LinuxFest Tシャツのほか、ベンダーからのプレゼントも付いている。

講演は全部で19件、3つの大宴会場を使って同時進行する。アズベリー大学のRichard BowenはApacheウェブ・サーバーの活用法を20種披露し、Googleのオープンソース・プログラム・マネージャーChris DiBonaはGoogleとオープンソース開発者との関係および製品へのオープンソース・コードの活用について講演する。また、Fort Systems, Ltd.のStephen Swaneyはオープンソース・ソフトウェアを利用したセキュア電子メール・ゲートウェイの設定について、トロント地区教育委員会のEd Montgomeryは教育におけるオープンソース・ソフトウェアの利用について論ずる予定。

基調講演には、著名なコンサルタント・著述家にしてLinux Internationalのエグゼクティブ・ディレクターでもある「狂犬」Jon Hallが再び登場する。演題は「Free and Open Source: The Next Steps」

しかし、この日のハイライトは、何と言っても、「Spheniscus Demersus: Funny Name, Serious Bird」(Spheniscus Demersusはケープペンギンの学名)だろう。基調講演に先立って、コロンバス動物園の飼育係たちがペンギンについて語る。同動物園にいる「タキシードを着た鳥」2羽に実演願うそうだ。

主催者の一人Greg Boehnleinによると、今年のカンファレンスに際して設定した目標の一つは、企業とユーザーコミュニティーからバランス良く講演者を迎えることだという。「2005年も好評でしたが、多くの参加者から講演が企業側に偏っていた、2006年はコミュニティー関連の講演を増やすよう、ご意見をいただきました。そこで、スポンサー担当グループと講演担当グループを分離し、スポンサーに講演枠を保証しないことにしました。その結果、今年の講演はビジネスとコミュニティーが程良くバランスしました。講演担当グループは本当によい仕事をしたと思っています」

講演とペンギンのほか、大宴会場に隣接する広大な展示スペースには、さまざまなベンダーやNPOが展示を行う予定だ。Red Hat、Sun Microsystems、Digium、The GNOME Project、Linux Box、デブライ大学、FreeGeek Columbusなどの参加が予定されている。

Linux BoxのCEO、Elizabeth Ziphによると、同社のOhio LinuxFest 2006に対する支援は2年目で、今回はすぐに決定されたという。「オハイオ州ではオープンソース・ソフトウェアへの支援が盛んですし、LinuxFestには当社にとって非常に興味深い人々が集まります。当社では、(このイベントは)今後も成長していくだろうと見ています」

急成長に主催者は大わらわ

Ohio LinuxFestへの参加者は着実に増え、昨年は750名を超えた。「今年は1,000人超が目標ですが、2005年に戴いたご意見からすれば、これは達成できるでしょう」と主催者側責任者のMike Meffieは言う。実際、このカンファレンスへの関心は強く、主催者がHoliday Inn City Centerに確保した100室はすでに予約で一杯。近くのMidwest Hotel & Conference Centerに追加の部屋を確保したほどだ。

カンファレンスの宿泊・食事・会議室を担当するBeth Lynn Eicherは「今年は、確保した部屋が早々に埋まってしまいました。こんなに予約が入るとは全く予想していませんでした。予定を公開しましたから、今後、ホテルの予約が急増すると思います」。これまでは長い行列に並ばなければ昼食にありつけなかったが、それを避けるため、今年は昼食を買えるようにするという。

第1回Ohio LinuxFestは2003年。それ以来、前年に発生した問題に学び、事前の対策を立ててきたという。最初のOhio LinuxFestには約100名が参加し、そのほとんどが毎年の開催を希望した。そこで、翌年はオハイオ州立大学にある200名収容の会議室を確保した。しかし、開催前の数週間に500件以上の登録が殺到したため、新たな会場探しに駆け回ることになった。幸いなことに、ぎりぎりで間に合ったという。「2004年を乗り切れたことで例年開催に踏み切れたのです」(Eicher)

そして、「2006年に向けて、ベンダーやスポンサーとの交渉をやりやすくするため、カンファレンスの業務と財政を自前で行うことにし、Ohio LinuxFest Corp.を設立しました。Michael MeffieとBeth Lynn Eicherと私(Boehnlein)が理事です。これは企業ですが、カンファレンスを支えるためのものであり、私たちの立場はあくまでもボランティアです。オープンソース・コミュニティーの価値を擁護し、Linuxとオープンソース支持者の交流の場を提供すること。それが私たちの責務です」(Boehnlein)

Meffieも同意見で、法人化は適切なカンファレンスを開催するために必要だったと言う。「予算を作れるようになったことが一番大きな利点ですね。お陰で、コミュニティーに得るものがある限りLinuxFestを続けていけるようになりました。この種のイベントを計画するには、たとえ自由参加で主催者がボランティアだとしても、ある程度の財務管理は必要です。スポンサーから資金を集め、会場や食事などのサービスに支出しなければなりませんから。また、そうしたことすべてについて、適切な経理処理・税務処理を行う必要があります。もちろん、コミュニティーから信頼されるようでなければなりません」

開催が間近に迫る中、主催者たちが首を長くして待っていることがある。それは、イベントで最も楽しいこと――新しいオープンソース・ソフトウェア・ユーザーに出会い、これまでの参加者と旧交を温めることだ。「LinuxFestで一番良い点は、間違いなく、仲間たちと会えること。講演者たちと会い、学び、友人を増やし、ビジネスが芽生えることですね」(Meffie)

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