Microsoft、仮想ディスク・フォーマット仕様を無料公開

 米Microsoftは10月17日、同社の仮想化フォーマット「Virtual Hard Drive(VHD)」の仕様を、すべての開発者と顧客に対して、無料で公開する方針を明らかにした。VHDは、同社の仮想化ソフト「Virtual Server 2005」などが採用する仮想マシン用のハードディスク・フォーマット仕様である。

 Microsoftは9月に「Microsoft Open Specification Promise(OSP)」を宣言し、この方針の下に、自社の35件のWebサービス仕様については特許権を主張せず、無料で公開することを明らかにしている。今回のVHD仕様の公開も、その一環だ。

 VHDに関しては、ここ数年で、すでに60社以上の企業がライセンスを取得している。Microsoftは、このソフトウェアを無料で公開することで、今年は50万台の仮想化サーバが販売されることになると見込んでいる。また調査会社IDCによれば、この数字は2009年までに12億台に達する見通しだという。

 MicrosoftによるOSPの発表は、同社がオープンソース・コミュニティとの関係改善に前向きであることの表れだと、一部では受け止められている。米Red Hatの法務総責任者マーク・ウェビンク氏も今回の動きについて、「Red Hatは、OSPの拡大を歓迎する」と語っている。

 ただし、ウェビンク氏は、次のようにも語っている。「だが、Microsoftの技術とそのほかの技術との完全な相互運用性の実現までには、まだ解決すべき大きな障壁がいくつもある。特に、オープンソースとして開発/提供されている技術との相互運用性についてはなおさらだ」

(ポール・メラー/IDG News Service ブリュッセル支局)

提供:Computerworld.jp