OSDLの組織改革:CEOの離脱とスタッフ9名の解雇

Open Source Development Labs(OSDL)は、これまでCEOを務めていたStuart Cohen氏の離脱およびスタッフ9名の解雇を含む、同組織の構造改革を行ったことを発表した。今後は、現在OSDLのCFOを務めているMike Temple氏が最高執行責任者(COO)に就任する予定だとのことである。

OSDLの支援でLinuxカーネルを進めているLinus Torvalds氏については、今回の解雇劇による影響は特に受けていないそうだ。現在OSDLには19名の常勤スタッフが残留している。ただし契約社員形式のスタッフが現在何人残っているかについて、OSDLは明らかにしていない。

OSDL関係者からこの件の内幕について話を聞くことはできなかったが、OSDLからは今回のスタッフ解雇および組織改革に関するステートメントが送られてきている。その説明によると、OSDLは今後もTorvalds氏を始めとしたオープンソース界における主要開発者への“庇護者”としての役割を継続してゆくとのことだ。

OSDLからのアナウンスはオンライン上では公開されていないが、その中にはCohen氏による発言として、オープンソース界における他の可能性の追求という離脱理由が引用されている。「私は、コミュニティ形成とコラボレーション活動におけるベストプラクティスを生かしたオープンソース開発のジョイントベンチャを立ち上げることを考えています」。

またOSDLは今後、同組織の推進するPatent Commons構想、Open Source as Prior Art(OSAPA)、Linux Legal Defense Fundなど、Linuxおよびオープンソースに関係する法律面でのサポートを拡大してゆくとのことである。

OSDLからリリースされたステートメントによると、同組織は依然として健全な活動状態を維持しており、世界各地に散らばる70名のメンバおよび「主要地域におけるカスタマ諮問委員会」からのサポートを受けているとのことだ。その一方でOSDLは「活動分野の再編を進めており、歳入に見合ったより良いリソース配分を見直すことで、最大限の市場効果を発揮できるように努力している」ともされている。

OSDLは現在、Carrier Grade Linux、Mobile Linux Initiative、Desktopワークグループなど、様々な分野でのLinux開発に携わるワーキンググループを支援している。

この非営利組織におけるスタッフの解雇という出来事は、今回が最初ではない。OSDLは昨年も組織改革を行っており、その際にスタッフ9名を解雇している。

NewsForge.com 原文