Sun、Solaris 10新版でセキュリティと仮想化機能を強化

 米Sun Microsystemsは12月12日、UNIX OSの最新版となる「Solaris 10 11/06」をリリースした。新版ではセキュリティおよび仮想化機能が強化されている。

 SunのSolaris担当マーケティング副社長、トム・ゴーゲン氏は同日、サンフランシスコの同社オフィスで開かれた記者会見で、「この新版は、現存するOSの中で、Solarisを最もセキュアなOSとするためのものだ」と語った。Solarisの新版は、各国政府が情報セキュリティの国際評価基準として採用しているCommon Criteria認証の「EAL4+」レベルを取得する見込みだ。

 Solaris 10 11/06の特徴として挙げられるのは、「Solaris Trusted Extensions」と呼ばれる新しいセキュリティ機能を搭載している点である。新版は、マルチレベルのセキュリティ環境を備え、同OSで扱うすべてのオブジェクトにセキュリティ・プロファイルを添付できるようになっている。

 ゴーゲン氏は、 Solaris 10 11/06のセキュリティ機能を“Secure By Default”(セキュアな標準設定)と表現し、「出荷時には、すべての要素がロックダウンされた状態になっている」と強調した。こうしたセキュリティ機能の強化は、Solarisの商用版とオープンソース版の両方に反映されている。

 さらにSolaris 10 11/06は、「Solaris Containers」と呼ばれるパーティション技術を搭載し、同OS内で各種のアプリケーションを実行するためのセキュアなコンテナを提供する。

 ゴーゲン氏によると、Sunは2007年上半期に、オープンソースの仮想化技術「Xen hypervisor」をSolaris 10に組み込む計画だという。これにより、OSレベルでの仮想化が可能となるため、ユーザーは必要に応じてサーバを整理統合することができる。なお、 Xen技術はすでにオープンソース版のSolarisには組み込まれている。

(ポール・クリル/InfoWorld オンライン米国版)

米Sun Microsystems
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提供:Computerworld.jp