IBM、次期Informixデータベースのベータ版を公開--SMB向けのLinuxサーバ・パッケージを年内に出荷

 米IBMは2月14日、次期「Informix」データベースのベータ版を公開した。同社はAMDやノベルと協力し、同データベースをx86サーバおよびLinux OSとセットで販売する計画を進めている。

 「Informix Dynamic Server(IDS)」の次期バージョンは「Cheetah」という開発コード名で呼ばれている。IBMはCheetahの特徴について、データベース・アプリケーション開発機能の改善、階層型データ構造のサポート強化、複数インスタンスにまたがるクエリ能力の向上、の3つを挙げている。

 なかでも、特に大幅な改良が施されているのがデータベース・アプリケーション開発機能だ。これにより、アプリケーションの開発と既存アプリケーションのIDSへの移植が容易になると、IBMでは説明している。

 また、CheetahはSOA(サービス指向アーキテクチャ)モデルをサポートしている。さらに、カスタム・インストールに必要なディスク・スペースを最小化するウィザード機能も備えている。

 Cheetahの開発は現在も続いており、IBMの顧客企業やビジネス・パートナーは、IBMのWebサイトからベータ版をダウンロードして試用することができる。

 Cheetah の正式出荷は今年下半期の予定だ。また、同データベースとx86サーバおよびLinux OSをセットにした中小規模企業(SMB)向けのパッケージ版も提供される。IBMによると、同パッケージは年内に出荷予定で、Cheetahのほか、ノベルの「Suse Linux Enterprise Server」、AMDのOpteron 1000 Seriesプロセッサを搭載した「IBM System x3105」で構成されるという。

 IBMは2001年、インフォミックスのデータベース事業を約10億ドルで買収した。IBMがIDSの開発を継続し、同社の主力データベースである「DB2」への移行を強いなかったことを多くの顧客は好意的に受け取った。しかし、一部のIDSユーザーは、最後のメジャー・バージョンアップが2年前(2005年3月)であることを引き合いに出し、IBMがIDSの販売に力を入れず、代わりにDB2を売り込んでいると批判している。

 これに対してIBMは、IDSが依然として同社の主要戦略製品の1つであると反論している。

(ジェームズ・ニコライ/IDG News Service パリ支局)

米国IBM http://www.ibm.com/

提供:Computerworld.jp