レッドハット、JBossミドルウェアにEclipseベースの開発ツールを統合――あくまでも商用化は行わず、オープンソースによる提供を維持

 米国レッドハットと米国エクサデルは3月5日、レッドハットの「JBoss」ミドルウェアにEclipseベースの開発ツールを組み込むことで合意したと発表した。

 JBossに組み込まれるのは、SOA(サービス指向アーキクチャ)およびWeb 2.0アプリケーションを構築するための開発ツールで、JBoss.orgコミュニティがオープンソースとして提供する。同コミュニティが取り組むオープンソース・プロジェクトは将来的に「JBoss Enterprise Middleware」に統合される予定だ。

 レッドハットは、「JBoss IDE」や関連するJBoss技術(「JBoss Seam」「Hibernate」など)との統合や、各プロジェクトでの活用に向けエクサデルと協力していくとしている。

 今回の提携のねらいについて、レッドハットの製品マネジャー、ブライアン・チェ氏は、「既存のアプリケーションをわれわれのプラットフォームに移行するだけではなく、プラットフォーム上で新しいアプリケーションを構築する開発者をひきつけたい」と語った。

 エクサデルは、提携の一環として、「Exadel Studio Pro」「RichFaces」を含む全製品をオープンソースで提供し、自社のAjax4jsfプロジェクトをJBoss.orgの下に統合する。 Studio Proは、複数フレームワークでの開発作業を単一の環境で行うことがで可能なWeb開発環境であり、RichFacesおよびAjax4jsfは、機能豊富なインターネットおよびWeb 2.0アプリケーション構築のためのモデルを提供する。

 RichFacesおよびAjax4jsfは現在、GPLよりもライセンス条件が緩やかなLGPL(GNU Lesser General Public License)の下でJBoss.orgが提供している。レッドハットは、Studio Proを「Red Hat Developer Studio」に商標変更し、今年の夏をめどに、GPLベースのライセンスで提供する計画だ。

 IBM、ボーランドなどはすでに、オープンソースのEclipse IDEをベースにプログラミング・ツールの商用化に取り組んでいるが、レッドハットはそうした企業とは異なり、自社ツールをすべてオープンソースで提供するとしている。

 「このレベルのツール・セットをオープンソースで提供するのは初めてのことだ。必ず保護して、オープンソースにとどめたいと考えている」(チェ氏)

(ヘザー・ヘイブンステイン/Computerworld オンライン米国版)

米国レッドハット
http://www.redhat.com/

米国エクサデル
http://www.exadel.com/

提供:Computerworld.jp