VeriSign、「.com」と「.net」のドメイン登録料を10月から値上げ――Webアクセス要求の増大に対応するDNSインフラの増強が主な理由

 米国VeriSignは4月5日、同社がドメイン名登録業者(レジストラー)から徴収する「.com」および「.net」ドメインの登録料(卸売り価格)を10月から値上げすると発表した。Webアクセス要求の増大に対応するためのインフラの増強が主な理由という。

 VeriSignは、インターネット上で利用されるIPアドレスやドメイン名などの標準化や割り当てを行うICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)との間で、2006年3月に締結した2012年までの6年契約に基づき、「.com」「.net」「.cc」「.tv」の登録ドメイン名のデータベースを維持管理するレジストリ業務を行っている。

 この契約の下、同社はセキュリティ対策やICANNの新しいポリシーへの対応のために登録料を改定することが認められているが、「.com」ドメインの値上げに関しては、2012年までに4回、年間7%という上限が設けられている。

 発表によると、10月15日付けで「.com」ドメインの登録料を6ドルから6.42ドルへと7%、「.net」ドメインの登録料を3.50ドルから3.85ドルへと10%値上げするという。

 今回のドメイン登録料値上げはさまざまな分野に影響を与えそうだ。レジストラーは、VeriSignにドメイン登録料を支払うことで、任意の料金設定で消費者や企業にドメイン名登録サービスを提供できるほか、ドメイン名登録サービスをWebサイト・ホスティングなど他のサービスとセットで提供することもできるからだ。

 VeriSignは現在、ICANNが認定した150社以上のレジストラーを管理している。同社が先月公表した資料によると、2006年末時点で「.com」および「.net」ドメインは6,500万に達し、ドメインの増加ペースは1カ月当たり210万件だったという。10月からの値上げにより、VeriSignの収入は少なく見積もっても2,270万ドル増えることになる。

 VeriSignはこの収入の増加分を、「.com」および「.net」ドメイン・サイトへのアクセス要求の増大に対応するためのインフラの増強に充てると説明している。それには、DNS(Domain Name System)を構成するサーバやネットワーク機器などが含まれる。

 同社によると、Webサイトに対するアクセス要求の拡大に伴って、1日に処理するDNSクエリが2000年の10億件から300億件程度にまで増加し、DNSインフラにかかる負担が大きくなっているという。

 VeriSignは2月、今後3年間に1億ドルをDNSインフラに投資する「Titan」プロジェクトを発表している。これにより、VeriSignが利用できる帯域容量は20Gbpsから200Gbps強に増加し、1日当たり4兆件強のDNSクエリを処理できるようになると見られている。

(ジェレミー・カーク/IDG News Service ロンドン支局)

米国VeriSign
http://www.verisign.com/

提供:Computerworld.jp