Novell、SMB向けワークグループ統合スイートを発表──MicrosoftのSmall Business Serverと真っ向対決

 米国Novellは6月13日、中小規模企業(SMB)向けワークグループ統合スイート「Open Workgroup Suite Small Business Edition」を発表した。

 同スイートは、NovellのLinuxディストリビューション「SUSE Linux」をベースにしており、デスクトップ・ソフトウェアの「SUSE Linux Enterprise Desktop」、サーバ・ソフトウェアの「Open Enterprise Server」、オープンソース・オフィス・スイートの「OpenOffice.org」、コラボレーション・ツールの「GroupWise」などで構成されている。同社によると、販売開始は今年9月を予定しているという。

 同スイートは、Novellのライバルであり、一部分野で協業する米国Microsoftの「Small Business Server」スイートと完全に競合する。NovellはSMB市場に同スイートを投入することで、「Microsoftの持つSMB市場のシェアを奪う」と明言している。

 調査会社オバムでオープンソース・リサーチ・ディレクターを務めるローレント・ラシャル氏は、「NovellがSMB向けの製品をリリースするねらいは、顧客を取り戻すことだ。NovellはネットワークOSの『NetWare』からLinuxへとビジネスの軸足を移す中で、顧客離れを招いてしまった」と分析する。

 同氏によると、SMB向けのソフトウェア市場は群雄割拠している状況であり、大きなシェアを握っているベンダーはまだ存在しないという。

 「SMBはMicrosoft、ドイツのSAP、米国IBMをはじめ、どのITベンダーにとっても未開拓の魅力的な市場なのだ」(ラシャル氏)

 Novellは昨年11月にMicrosoftと提携契約を締結した。しかし今回の発表では、同社はMicrosoftに遠慮することなくOpen Workgroup Suite Small Business EditionとSmall Business Serverを比較し、自社製品の優位性をアピールした。

 Novellによると、Open Workgroup Suite Small Business Editionは、1ライセンスでサーバ5台と200ユーザーをサポートするが、Small Business Serverは1ライセンスで75ユーザーまでしかサポートしないという。

 またNovellは、Open Workgroup Suite Small Business Editionにはオフィス・スイートのOpenOffice.orgが含まれているが、Small Business Server(2003 R2)には「Word」や「Excel」といったOffice製品が含まれておらず、ユーザーはOffice製品を別途購入しなければならないといった違いも強調している。

 ラシャル氏は、Open Workgroup Suite Small Business Editionは1ライセンスでサポートするユーザー数が200人であることから、Novellは米国のSMB市場にねらいを定めていると指摘する。同氏によると、欧州におけるSMBの定義は、米国での定義よりも社員数がはるかに少ないという。

(ジェレミー・カーク/IDG News Service ロンドン支局)

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提供:Computerworld.jp