Yahoo!、検索サイトのプライバシー・ポリシーを変更――ユーザーの検索データを13カ月後に匿名化

 米国Yahoo!は7月24日、プライバシー漏洩問題に対する懸念の高まりに対応するため、13カ月以上が経過したユーザーの検索データを匿名化すると発表した。

 すでに、GoogleやMicrosoftなどのインターネット企業も、個人データへのアクセスを制限するための同様の措置を打ち出しており、今回はYahoo!もそうした動きに追随したかたちだ。

 Yahoo!の広報担当者ジム・カリナン氏は、Computerworld米国版宛に電子メールで寄せた声明の中で、「当社の中核となる信条の1つは、われわれがユーザーとの間で築き上げてきた関係を強化し、信頼を維持することだ」と述べた。

 同氏は、ユーザーの要望がある場合や、法的な根拠に基づいて情報を保存する必要がある場合を除き、13カ月以上経過したすべての検索ログ・データを匿名化すると説明している。

 「13カ月という期限設定は、不正行為に対する防衛能力を維持し、広告主や出版元、ユーザーへのサービスを改善しながら、ユーザーのプライバシーに対する当社の方針にも適合するという点で適切なものだと考えている」(カリナン氏)

 Microsoftも7月24日、同社のWebサイト「Microsoft Windows Live」で年内に匿名検索機能を提供すると発表した。また同社は、18カ月以上経過したすべてのユーザー検索データを匿名化する方針も明らかにしている。

 また先週には、検索ポータルのAsk.comも、年内に匿名検索が可能なAskEraserと呼ばれる機能を自社のWebポータルに導入すると発表した。AskEraserを有効にしておけば、通常は検索中に保存されるユーザー・データが保存されなくなる。

 一方、Googleは、プライバシー・ポリシーを変更し、同社のクッキーの有効期限を2年間としたことを先週明らかにした。同社のクッキーの有効期限は、これまで2038年に設定されていた。しかし専門家は、Googleの措置について、プライバシーに関する懸念に答えるため一定の措置を講じているという点は理解できるものの、実効性は乏しいと指摘している。

 今年初めGoogleは、サーバ・ログに保存されているエンドユーザーに関するデータを18カ月経過した時点で匿名化すると発表した。この変更措置は、今年3月から実施されており、その時点で同社は、18~24カ月経過したユーザー・データを匿名化すると説明していた。

 プライバシー・ポリシーを変更するというGoogleの決定は、今年6月に欧州連合のデータ保護作業グループから送られてきた同社のプライバシー・ポリシー改善に関する書簡に対応するための措置と見られている。

(リンダ・ローゼンクランス/Computerworld オンライン米国版)

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提供:Computerworld.jp