VMware、IntelMac向け仮想化ソフト製品版をいよいよ発売――64ビット版VistaのほかSolarisやLinuxなど60以上のOSが稼働

 米国VMwareは8月6日から、Mac OS X対応仮想化ソフトウェア「VMware Fusion」の発売を開始する。価格は79.99ドルで、30日間無料で使えるダウンロード試用版も提供されるという。

 Fusion は、Intel Mac上でWindowsとMac OS Xを並行動作させることができる。Macユーザーがシステムを再起動せずにWindowsプログラムを実行できる競合製品としては、Parallelsの「Parallels Desktop for Mac」やCodeWeaversの「CrossOver for Mac」がある。

fusion_thumb.jpg
「VMware Fusion」のインタフェース例(UnityとLauncherが動作)

 VMwareのMac製品担当シニア・プロダクト・マネジャー、パット・リー氏によると、Fusionは64ビット・プロセッサをサポートし、Windows Vista Ultimateの64ビット版など、64ビット・プロセッサに対応したOSを動作させることができる。また、MacユーザーはWindowsだけでなく、SolarisやLinuxなど、x86アーキテクチャに最適化された60種類以上のOSを実行できる。

 VMwareは1年前にMacintosh向けの仮想化技術を提供する計画を発表し、今年、Fusionの無料の公開ベータ版をリリースした。それ以来、同ベータ版は25万本以上ダウンロードされたという。

 「われわれはこの製品を市場に投入するために長い時間をかけており、絶大な自信を持っている。仮想化の分野で培ってきた10年の経験を結集しており、Macネイティブな環境を存分に体感してもらえるはずだ」(リー氏)

 Mac市場にはすでにParallelsなどの競合製品があるが、「当社はそのことにはまったく懸念を感じていない」とリー氏は強調する。Fusionの開発にあたっては、できる限りシームレスなMac環境を体感できるように注力したという。

 Fusionの目玉である「Unity」機能では、WindowsアプリケーションをDockに最小化したり、Mac OS X TigerのExpose機能を使ってMacとWindowsの両アプリケーションを切り替えたり、Macのキーボード・ショートカットを使ってMac OS XとゲストOS間でコピー&ペーストを行ったりできる。

 また、FusionはAppleの「Boot Camp」に対応しているほか、競合製品のParallelsユーザー向けに提供される「Converter」ユーティリティを使えば、 Parallels仮想マシンをVMWare版に変換できる(リー氏によると、ParallelsとBoot Campパーティションを使っているユーザーは、Fusionをインストールする前にParallelsをアンインストールするよう促される)。

 さらに、FusionはMac OS X v10.5「Leopard」を「実験的に」サポートするほか、ユーザーがWindowsゲームを試せるように「実験的な」3Dグラフィックス・サポートも提供する(Parallelsと同様、現時点では、Microsoftの3D APIの旧バージョンであるDirectX 8.1をサポートするにとどまっている)。

 リー氏によると、8月5日午後12時(太平洋時間)までにFusionを注文したユーザーは、50%の予約割り引きを受けられるという。

(ピーター・コーエン/Macworld.com)

米国VMware
http://www.vmware.com/

提供:Computerworld.jp