問われるデータセンターの省電力策――大手電力会社PG&Eは支援プログラムを実施

 サンフランシスコ湾岸地域の涼しい気候は、データセンターの電力コスト削減に一役買う可能性が高い。しかし、多くのデータセンターは外気を利用する仕組みを備えておらず、気候上のメリットを生かしていないというのが実情だ。こうした現状に、大手電力会社も懸念を抱いている。

 「今日のサンフランシスコ湾岸地域は、13℃程度で雨が降っている。にもかかわらず、われわれが担当するエリアのデータセンターは、どこも冷却設備を稼働させている」と、パシフィック・ガス&エレクトリック(PG&E)のハイテクセンター・省エネルギー・プログラムの責任者、マーク・ブラムフィット氏は先週語った。

 PG&Eでは、サービス・エリア(サンフランシスコ湾岸地域とカリフォルニア北部の大部分)内のデータセンターが、年間に500メガワットの電力を使用していると推計している。だが、通常の冷却設備の代わりに、外気を取り入れた冷却システムを併用するなどの省電力化が進めば、消費電力が半減する可能性もあると、ブラムフィット氏は述べている。

 しかし、データセンターの運用担当者は、従来の冷却設備から外気利用方式に切り替えることに不安を持っていると、データセンター建設サービスを手がけるストラクチャ・トーンの上級副社長、ケビン・オブライエン氏は語る。同氏は、外気を利用するといっても、当然のことながら単に窓を開けるだけでは済まず、湿気などの調整はやはり必要になるだろうと指摘する。

 また同氏は、外気利用方式と通常の冷却設備を切り替えながら運用する場合には、障害が発生するリスクが高くなるだろうとも話している。

 オブライエン氏は、先週ラスベガスで開催された「AFCOM(Association For Data Center Network&Enterprise system Management)2007」コンファレンスで、省電力化に向けた新しい選択肢を検討する時期に来ていることを強調した。

 「われわれは現状をみずからチェックし、環境に配慮したデータセンターとはどのようなものかを定義する必要がある。それも、そうしたデータセンターのあり方を政府に決められる前にだ」(同氏)

 同コンファレンスでは、ハイマーク・ブルー・クロス・ブルー・シールドの親会社であるハイマークのインフラ管理担当ディレクター、マーク・ウッド氏も、環境問題が同社の最優先課題だと力説した。

 ウッド氏によると、ハイマークでは仮想化技術を活用することで、500台の物理サーバを半分に減らすことを目指している。さらに、ベンダーがどのような省エネ対策をとっているかにも注意を払っているという。

 「次の世代に降りかかる環境問題の負担を軽減するために、われわれは古いやり方を改めようとしている」(ウッド氏)

インセンティブ・プログラムで省電力化を支援するPG&E

 PG&Eは現在、データセンターの省電力化を促進するさまざまなインセンティブ・プログラムを実施している。

 例えば、同社は昨年11月、仮想化によって物理サーバの使用台数を減らした企業に最大400万ドルの電力料金を払い戻すと発表した。データセンターが使用電力を減らせば、PG&Eでもピーク需要時に余分な電力を調達する必要がなくなるからだ。

 ブラムフィット氏によると、このインセンティブ・プログラムへの参加を申し込んだ企業は、現在のところ30数社に上っている。サーバ使用台数がわずか数台のところもあれば、6,000台のケースもあり、参加組織の規模はさまざまだ。当面の目標は年間で4~5メガワットの消費電力を削減することだと、ブラムフィット氏は語っている。

(パトリック・ティボドー/Computerworld オンライン米国版)

PG&E
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提供:Computerworld.jp