Intel、「vPro」の最新版を正式発表――セキュリティ機能の大幅強化で、効率的なクライアント管理が可能に

 米国Intelは8月27日、ビジネス向けプラットフォーム・ブランド「vPro」の最新版(開発コード名:Weybridge)を正式に発表した。

 Intelは新vProの構成要件を、「Core 2 Duoプロセッサ(E6550以上)」、「Q35 Expressチップセット」、Intelのネットワーキング技術、および仮想化技術と説明している。

 同社によると、新vProを利用することで、企業のIT管理者は、セキュリティ・パッチを多数のコンピュータに自動配布したり、利用していないコンピュータをリモート操作でスリープ状態にしたりすることができるという。

 Intelでデジタル・オフィス・プラットフォーム部門担当ゼネラル・マネジャーを務めるグレッグ・ブライアント氏は、「新vProの最大の特徴は、セキュリティ機能が大幅に強化されたことだ」と語り、以下の特徴を挙げた。

  • 仮想化技術を利用し、ハード・ドライブ上の保護されたセクションで、特定のセキュリティ・ソフトウェアを動作させることができる。
  • 時間ベースのフィルタを利用し、コンピュータ・ウイルスやワームの活動を示す異常パターンを検知することができる。
  • オンチップ・メモリを利用し、ネットワーク・セキュリティの情報をハードウェア上に保存することができる。

 ブライアント氏によると、これらの機能は従来のセキュリティ・ソフトウェアに取って代わるものではなく、米国Symantecなどのセキュリティ製品と併用しても、機能が発揮できるように設計されているという。

 「現在、セキュリティの脆弱性を突く攻撃は、ソフトウェアを標的にしたものが多い。しかし、CPUのメモリをねらった攻撃も存在する。そういった攻撃に対処するのは、われわれの責務だ」(ブライアント氏)

 なおIntelは2008年前半に、ノートPC向けプラットフォームを現行の「Centrino Pro」(開発コード名:Santa Rosa)から、次期Centrino Pro(開発コード名:Montevina)にアップグレードするとしている。その際、Montevinaでは今回発表された新vProの機能をサポートする予定だという。

 また今回の発表に合わせ、HP、Dell、Lenovo GroupなどのPCベンダーは、新vProをベースとした新製品を発表した。主な製品は以下のとおり。ただし、出荷時期および価格については、どのベンダーも明らかにしていない。

  • HP「HP Compaq dc7800」(デスクトップPC/3機種)
  • Dell「OptiPlex 755 PC」(デスクトップPC/5種類)
  • Lenovo「ThinkCentre M57p」(デスクトップPC)、「ThinkPad T61」(ノートPC)

(ベン・エームズ/IDG News Service ボストン支局)

米国Intel
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提供:Computerworld.jp