大手メディア企業らがUGCサイト向けの著作権ガイドラインを策定――著作権物のフィルタリングをサイトに要請

 大手メディア企業とWeb企業のグループは10月18日、UGC(User-generated Content:ユーザー生成コンテンツ)提供サイト向けの著作権ガイドラインを発表した。その中で同グループは、UGCサイトは最新のフィルタリング技術を駆使して著作権物の不正な投稿の防止に取り組む義務があるとの見解を打ち出している。

 放送大手のCBSやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のマイスペース、動画共有サービスのデイリーモーション、それにMicrosoftなどが名を連ねているこの企業グループは、UGCサイトやSNSサイトに対し、フィルタリング技術を活用して著作権侵害コンテンツを削除するよう呼びかけている。

 「これらのサイトは、著作権侵害のクレームに対応するための手続きを整備するとともに、フィルタリング技術を定期的にアップグレードしなければならない」(企業グループの声明より)

 こうした一連の規範は、企業グループが18日に発表したガイドライン「User Generated Content Principles」の中で示されている。同ガイドラインの目的は、「正規のチャネルを通じて多くのコンテンツを多くの消費者に提供するという共通目標の下、Webサイトと著作権者の協力を促進することにある」と企業グループは声明で述べている。

 この企業グループにはメディア・コングロマリットのViacomも加わっている。同社はかねてから、人気の動画共有サイト「YouTube」の親会社Googleに対し、著作権付き動画の削除を再三申し入れてきた。Googleは同グループに参加してはいないが、ガイドライン発表の3日前、著作権作品をYouTubeから排除するためのフィルタリング技術(テスト版)を公開している。

 Viacomの社長兼CEO、フィリップ・ドーマン氏は声明の中で次のように述べている。

 「これらの規範により、革新的な技術と優れたコンテンツの組み合わせが、さらに優れた革新に拍車をかけ、そして何より重要な、消費者のより豊かなエンターテインメント体験の実現を促進するだろう」

 今回発表された規範について、YouTubeの広報担当者からはコメントは得られなかった。

 一方、消費者権利の擁護団体パブリック・ナレッジは、YouTubeのフィルタリング技術が開発されたことを「悲しむべき事態」と受け止めている。

 「Googleがエンターテインメント業界から圧力を受け、大きな問題をはらむシステムの開発にリソースを投入したのは残念なことだ。YouTubeが導入するフィルタリング技術は、情報の自由な流通を阻害し、コンテンツの合法的利用に対するコンテンツ企業のコントロールを増大させるおそれがある」(パブリック・ナレッジのギギ B.ソーン代表)

 YouTubeのフィルタリング技術は「Video Identification Database」と呼ばれ、YouTubeに投稿された映像と、著作権者から提出された作品とを照合するようになっている。デフォルト・オプションでは、これに基づいて不正と判断された動画がブロックされるが、この場合、コメントや批評を加える目的で動画を投稿するという消費者の公正使用権が制限されることになると、ソーン氏は指摘する。

 「Googleの取り組みは評価されるべきだが、フィルタリングのプロセスが自動化されてしまうと、消費者の公正使用権の侵害は避けられないとわれわれは考えている。Googleに望むのは、人々の権利とコンテンツ企業の権利のバランスが取れたシステムだ」(ソーン氏)

 だが、今回一連の規範を発表した企業は、フィルタリング技術の必要性を訴えている。インターネットに動画コンテンツを簡単にアップロードできることが、著作権侵害コンテンツの投稿が横行する事態を招いたと認識しているからだ。

(グラント・グロス/IDG News Service ワシントン支局)

提供:Computerworld.jp