オープンソースRTOS「eCos 2.0」発表、RedHat外での初リリース

英国ケンブリッジに拠点を置く eCosCentricは現地時間5月20日、 組み込み用リアルタイムオペレーションシステム(RTOS)「eCos」 (Embedded Configurable Operating System)の新メジャーバージョン となる「eCos 2.0」のリリースを発表した。

eCosは、ロイヤリティフリーのオープンソースRTOSであり、高い カスタマイジング性と適応性、が特徴。GUIコンフィギュレーション ツールを利用して、アプリケーション特有の要件に応じた コンフィギュレーションを容易に生成することができる。また、 国内の組み込み市場でシェアの高いμITRONのAPIとPOSIX APIの 両方を備え持つという特徴もある。 ブラザーのプリンタや幾つかの携帯電話などにおいて採用されていることが知られている。

元々eCosは、GNUProで名高いCygnus Solutionsが開発/販売していたが、 Red HatによるCygnus買収を経て、Red Hatの組み込みビジネスの中核を 成していた。しかし、昨年の春にeCos開発チームがRedHatからレイオフされ、それと前後する形でeCos開発チームによってeCosCentric社が設立された。以降、eCosの開発/メンテナンスは事実上eCosCentricがおこなってきたが、今回のeCos 2.0は、eCosCentricにおいての初のリリースとなる。

eCos 2.0は、合計で74の開発プラットフォームをサポートし、 ARM (StrongARMとXScaleを含む)、SuperH、Intel x86 (IA32)、PowerPC、 MIPS、Matsushita AM3x、Motorola 68K/Coldfire、SPARC、Renesas H8/300H、そしてNEC V850のアーキテクチャをサポートする。また、 オープンソースのブートストラップとデバッグのファームウェア「RedBoot」、TCP/IPスタック、RAM、ROMおよびフラッシュ・ファイルシステム、Powerマネジメント・サポート、USBスレーブサポート、SMPサポートが含まれる。