Sun、Java SE 6の第2ベータ版を公開──JDKの機能拡張も発表

 米Sun Microsystemsは6月21日、「Java Platform, Standard Edition 6(Java SE 6)」(開発コード名:Mustang)の第2ベータ版(Beta 2)を公開。同時に、Java SE 6のJava開発者キット(JDK)最新版へのデータベースとビジュアル開発機能の追加を発表した。

 また、PCメーカーのレノボとファウンダー・テクノロジー・グループ(方正科技)がJavaランタイム環境(Java Runtime Environment:JRE)をPC製品に搭載することも明らかにした。

 Java SE 6 Beta 2は、SunのWebサイトからダウンロードできる。Java SE 6の完成版のリリースは今秋に予定されている。

 Java SE 6 JDK最新版には、Apache DerbyデータベースのSun版ディストリビューション「Java DB」が組み込まれる。Java DBは、トリガやストアド・プロシージャをサポートするトランザクション型リレーショナル・データベースで、フットプリント(必要メモリ容量)が2MBと小さく、永続データをクライアントまたはサーバ上に格納するために利用できる。

 6月21日以降、Java DBは、Mustang(Java SE 6)ProjectのWebページからJava SE 6の早期アクセス・ウィークリー・ビルドを通じて提供される。

 また、Java SE 6 JDK最新版には、NetBeans GUI Bulder(コード名:Project Matisse)のレイアウト管理コンポーネント「GroupLayout」も組み込まれる。これをベースに、Javaアプリケーションのユーザー・インタフェースを構築するためのSwing対応のビジュアル設計ツールが提供される。

 SunのJava Platform担当プロダクト・マーケティング・マネジャー、ビル・カーチ氏は、GroupLayoutについて、「ドラッグ&ドラッグでレイアウト作業ができ、ユーザー・エクスペリエンスを向上させるのに役立つ」と述べている。

 同氏によると、Sunでは同機能をAjax(Asynchronous JavaScript and XML)ベースのWebアプリケーション開発手法に代わるものとは位置づけていないという。開発者にはそれぞれ利用する技術の好みに違いがあるからだ。「開発者がリッチ・クライアント開発のための基盤としてAjaxを使用するかJavaを使用するかを選択する際には、さまざまな要素を考慮することになるはずだ」(カーチ氏)

 なお、Java SE 6には、高度なWebサービスとスクリプト言語などのサポートも含まれている。Javaのメソッドやオブジェクトは、スクリプトを使用して呼び出すことができる。このほかにも、モニタリングや管理機能の強化、デスクトップのルック&フィールの改良、開発者の生産性向上、既存リリースとの互換性や異なるオペレーティング・プラットフォーム間の互換性の確保などが図られている。

 レノボと方正科技は、早ければ今年第3四半期から、最新のJREをPCに搭載して出荷し始める見通しだ。カーチ氏によると、Sunの両社とのライセンス契約は「Windows PCにJREを搭載させる」ことを目的としたものであり、最近のLinuxディストリビューションへのJRE搭載とは別の取り組みであるという。

(ポール・クリル/InfoWorld オンライン米国版)

提供:Computerworld.jp