NEC、異種DBのデータ連携ソフトを拡販、3年間で300セットを目標

 NEC(矢野薫社長)は、企業内に分散したデータを統合するニーズが高まっていることから、異種データベース(DB)間のデータ連携ソフトウェア「DataCoordinator(データコーディネータ)」を本格的に拡販する。7月中旬には、Linux版オラクルDBなど対応データベースが拡大した同製品の新版「同RA Ver3.2」を発売。同社のサーバーやストレージなどの販社を通じ、3年間で300セット、売上高15億円の販売を目指す。

 「データコーディネータ」は、データ連携に必要なアプリケーションを新たに開発せずにGUIでデータ連携の定義ができるのが特徴。開発や保守、変更に関わるコストが不要で、異種DBに別々の形式で蓄積されたデータをネットワーク経由で簡単に連携できる。

 新版では、データ連携可能な商用DBを増やし、HP-UX、ウィンドウズ、Linuxの各OSに対応したオラクルDBやSQLサーバー、Linux版のPostgreSQLを新たに加えた。Solaris版は「今年度(2007年3月期)中に対応版を出す予定」(白馬智博・第二コンピュータソフトウェア事業部主任)という。

 また、NEC製メインフレームのOS「ACOS-4」上の標準ファイル「VSASファイル」との連携も可能になるなど、基幹システムのデータをオープン系プラットフォーム上で活用する選択肢が広がった。

 類似システムの異種DBを統合したり、基幹システムのデータを活用して情報系業務のデータ分析やOSを変更してオープン系サーバーに移行する際などを適用シーとして想定している。また、高価なストレージ製品を使わず、安価なOSやDB、サーバーを利用して、論理的なバックアップシステムが構築できるという。

 同社では、販社を通じ、自社のストレージ製品「iStorege」や次世代統合プラットフォーム「シグマグリッド」などを販売する際などに売り込むほか、「統合運用管理ソフト『WebSAM』などとの連携もできる」(白馬主任)と、さまざまな方法で販売していく。

 販売価格は、サーバーにインストールする「同/RAサーバー」が200万円、DB側に入れる「同/RAエージェント」が140万円。両ソフトを1セットとして、各種プログラムプロダクトを加え、最小構成は500万円程度になるという。昨年夏に発売以来、食品加工会社1社に導入されている。

NEC=http://www.nec.co.jp/

提供:BCN