米Oracle:Linux事業に進出、既存業者に脅威

 米Oracleは25日(米国時間)、Linux関連事業に本格進出すると発表した。自社ブランドのLinuxを無料提供するとともに、ライバルの半額以下でサポートサービスを開始する。同社はデータベースソフトの最大手。巨大企業の参入は、既存の業者にとって脅威となりそうだ。

 当初は、米Red HatのLinuxの利用者に、Red Hatよりも低料金でサポートサービスを提供する。Linuxを開発する企業は、ソフト自体は無料同然で配布し、サポートサービスで稼ぐのが一般的。Red Hatは収入源を奪われる恐れが高まり、株価が急落している。

 さらにOracleは、Red Hat Enterprise Linuxを微修正して自社ブランドのLinux「Unbreakable Linux」を開発、無料配布する。本格的にLinux開発に取り組むのではないが、事実上、Linux“販売”に乗り出した格好だ。利用者はRed Hatから商品を買う必要がなくなる。

 Oracleは世界17カ所に約7000人のサポート要員を置き、27カ国語に対応。1月末までは半額割引で、Red Hatなどのサポートサービスから乗り換える利用者は優遇する。米Dell、米Hewlett-Packardなどは、自社の顧客にOracleのサービスを紹介するなど、協力することを表明した。

 Oracleは、この物量で企業に安心感を与えることで、Linuxの普及に貢献できると強調する。しかし、Linux業界は弱肉強食の時代を迎えたとの声も上がった。【南 優人/Infostand】

OracleのLinux事業
http://www.oracle.com/technologies/linux/