日本HPとSCS、HPC分野で提携強化、市場開拓やトータルソリューションも

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP、小田晋吾社長)と住商情報システム(SCS、阿部康行社長)は2月28日、HPC(High Performance Computing=各種シミュレーションなど計算量の多いコンピュータ処理)分野の提携を拡大すると発表した。両社で協調ビジネスモデルを構築するとともにHPCに関するトータルソリューションを提供する「HPC共同検証センター(仮称)」も設立する。

 03年12月に両社で結んだHPC分野の提携をさらに拡大するもので、市場開拓、プリセールスから検証、提案、運用・保守まで案件の各フェーズで協業。HPC分野で顧客が求めるあらゆるソリューションをトータルに提供していく。

 両社で広告、イベント、マーケティング活動にも共同で取り組んで市場を開拓。コンサルティング、営業、提案活動などのプリセールスも行っていく。両社のエンジニアでHPCトータルソリューションの提案・構築支援を行うとともに、運用・保守のサービス、サポートも両社で行う。

 すべての業種を対象として、ワークステーション中心の中小規模の企業や組織から、1000ノードクラスのサーバーによる大規模システムを保有するところまで幅広くカバーする。とくに製造業や金融・保険業、官公庁や大学の研究システムが主要なターゲット。想定する適用分野としては、製造業では、衝突解析、流体解析、構造解析といった設計・解析分野やシミュレーションなど。金融・保険業では、複雑なリスク計算、商品開発など。

 一方、「HPC共同検証センター」は、住商情報システム内に日本HPが設立。エンジニアが常駐し、共同で機能検証、ベンチマーク、サイジングなどを行う。日本HPが各種HPCアプリケーションツール、ハードとOSを提供し、SCSがシステムインテグレーションを受け持つ。OSはWindows、Linuxのほか、Integrity、ProLiantなどすべてのHPサーバー、ストレージ、ワークステーションをカバー。施設はアプリケーションベンダーにも開放する。本稼動は4月の予定。

日本ヒューレット・パッカード=http://welcome.hp.com/country/jp/ja/
住商情報システム=http://www.scs.co.jp/

提供:BCN