マサチューセッツ州、Microsoftの「Open XML」を標準文書フォーマット候補に――アンチOpen XML派は「まだ草案段階」と静観の構え

 米国マサチューセッツ州は7月2日、米国Microsoftの文書フォーマット「Open XML」を、行政機関の文書に使用可能な標準文書フォーマット候補として、「ETRM(企業技術基準モデル) 4.0」案に追加した。

 マサチューセッツ州のETRMは、6カ月ごとに見直される。7月2日に公開された最新版のETRM 4.0案には、米国IBMや米国Sun Microsystemsなどが支持する「OASIS Open Document Format For Office Applications(ODF) v.1.1」とともに、Open XMLも標準文書フォーマット候補として記載されている。

 マサチューセッツ州のCIO代理を務めるベサン・ペポリ氏は7月2日、Open XMLを標準文書フォーマット候補に加えた理由について、「Open XMLがマサチューセッツ州の定めるオープン・フォーマット基準に適合したため」とコメントしている。

 同氏によると、昨年12月にETRMを見直した時点では、Open XMLはECMA(欧州電子計算機工業会)から標準文書フォーマットとして承認されたばかりで、各業界の支持を得られていなかったという(関連記事)。

 なお、マサチューセッツ州では、7月20日までETRM 4.0案に対する市民の意見を受け付けている。

 一方Microsoftは7月2日、「Open XMLが標準文書フォーマット候補に加えられたことを歓迎する。これにより、ユーザーは自分たちのニーズに最も適した文書フォーマットを選択できる」とコメントした。

 Microsoftは、Open XMLが標準文書フォーマットとして承認されるよう注力している。しかし、Open XMLと競合するODFを標準文書フォーマットとして支持する人々は、「Microsoftの標準化策定プロセスへのアプローチは強引だ」と非難している(関連記事)。

 Open XML批判の急先鋒で、IBMのオープンソース/標準担当副社長を務めるボブ・ストー氏は7月2日、「ETRM 4.0はまだ草案にすぎない。Open XMLを標準文書フォーマットとして利用することに反対する声も根強い」としながらも、今回のマサチューセッツ州の判断を、「市民がOpen XMLと他のフォーマットを比較検討できるよい機会を提供した」と評価した。

(エリザベス・モンタルバノ/IDG News Service ニューヨーク支局)

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提供:Computerworld.jp