ネット視聴率:“滞在時間”重視へ方針転換 米Nielsen

 インターネットの視聴率調査を行っている米Nielsen//NetRatingsは7月10日(米国時間)、従来の調査方法では実態を反映できなくなったとして、評価基準を見直すと発表した。これまではページの表示回数(ページビュー)を視聴率とみなしていたが、今後は回数だけでなく、閲覧した時間の長短を重視する。「ネットの視聴率は信用できない」との批判に対応する。

 インターネットの進化で、ページビューという尺度は古くなったのが原因。動画のストリーミング配信や「Ajax」など、ページ全体を更新しなくても画面が変化するサービスが増え、表示回数だけでは人気を計測できなくなった。今後は、1カ月間に閲覧された時間の総合計など、利用者の“滞在時間”も調べて公表する。

 同社は具体例として、検索サービスのGoogle Searchと、動画投稿サイトの米YouTubeを比較。ページビュー(5月分、米国内)はGoogleが76億2300万回、YouTubeが27億6200万回で、大差があったが、閲覧時間はそれぞれ25億5700万分、21億1700万分できっ抗し、力関係が変わってくる。

 オンライン広告の業界団体、米インタラクティブ広告協議会(IAB)の批判が、Nielsenを動かしたとみられる。IABは4月、同社などの調査方法に不満を示し、第三者による監査を要求していた。【南 優人/Infostand】

Nielsen//NetRatings
http://www.nielsen-netratings.com/