Google、YouTubeに違法動画を防止する技術を導入へ――早ければ今年9月にも運用開始

 米国Googleは傘下の動画共有サイト「YouTube」に、違法コピーの動画を認識し、アップロードを防止する技術の導入を計画しているようだ。導入は早ければ今年9月になるという。

 AP通信の報道によると、この事実が明らかになったのは、7月27日に行われた、米国ViacomがGoogleに対して起こした訴訟の審問の席上である。

 Googleの弁護を務めるバーリット・ベック・ハーマン・パレンチャー&スコットのフィリップ S.ベック弁護士は、ニューヨーク南部地区連邦地裁のルイス L.スタントン判事に、「Googleは動画認識技術の開発を、“精力的に”行っている」と説明したという。

 ベック氏によると、Googleの動画認識技術は、FBIで採用されている指紋認証技術と同様の、高度な認識技術だという。AP通信は、「Googleの動画認識技術は、ユーザーが著作権のある動画を、著作権者に無断でYouTubeにアップロードしようとした場合、著作権者から提供されたデジタル指紋と照合し、 1~2分以内でアップロードを不可能にするものだ」と報じている。

 Googleの広報担当者はIDG News Serviceの取材に対し、「動画認識技術は今年の秋にテストを完了し、早急に導入する予定だ」としたものの、「動画認識技術のプロジェクトは、技術的に最も複雑なプロジェクトの1つである。先端技術の常として、その実現時期を予想するのは難しい」と、導入時期が9月以降にずれ込む可能性があることを示唆した。

 Google幹部はかねてから、YouTubeに無断でアップロードされる著作権付き動画を取り締まるシステムを開発していることを表明している。

 しかし、GoogleでCEOを務めるエリック・シュミット氏は今年4月、2007年第1四半期(1-3月期)の決算発表で、「開発中の(著作権付き動画を取り締まる)システムは、海賊版(違法コピー)をフィルタリングして遮断するものではない」と語っている。

 今回明らかになった動画認識技術が、すでに開発されているシステムの設計を変更したものなのか、まったく新しいシステムとして技術開発したものなのかは、現時点では不明である。ベック氏が7月27日に行った説明は、「Googleが開発中の技術は、著作権所有者がGoogleに通報しなくても、違法動画を自動的に “遮断”する」というものだった。

 なお、7月27日の審問は訴訟の日程を決定するために行われたものだが、日程の決定には至らなかった。再協議は8月6日を予定しているという。

(ホアン・カルロス・ペレス/IDG News Service マイアミ支局)

米国Google
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提供:Computerworld.jp