Red HatがEnterprise Linux 5.1ベータを発表

 Red Hatは今週、Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 5.1ベータをリリースした。これは仮想化、ノートおよびデスクトップPC向け機能、ネットワーク処理、相互運用性、保守性、セキュリティ、ストレージに対する調整と改良が行われたマイナーアップグレード版にあたる。

 そのリリース告知では、完全な「Itanium2プラットフォームでの仮想化サポート」のほか、多数の準仮想化(PV:Para-Virtualized)および完全仮想化(FV:Fully-Virtualized)オプションのサポートなど、仮想化に関する多数のアップグレードが強調されている。また、libvert管理ツールキットも更新されている。

 ノートPCおよびデスクトップPC向けの機能強化には、電源管理の改良と新たなFirewireスタックの“テクノロジプレビュー版”が含まれる。また、Sambaの更新によってWindowsとの相互運用性が向上しているほか、PAM/KerberosNSS-LDAPの更新によってActive Directory環境における統合性も高まっており、クラッシュ解析ツールにも改良が施されている。

 ネットワーク機能の改善点としては、Infinibandサポートの更新とイーサネットでのRDMAの追加が挙げられる。

 さらに、このベータ版ではIPv6の改良、カーネル内ソケットAPIの拡張、2つの無線スタックの“テクノロジプレビュー版”の追加も行われている。セキュリティ強化については、監査の改善、SSH向けスマートカードのサポート、LSSP認証に関連する変更点の統合が行われている。

 Red Hat Network会員だけが利用可能なこのRHEL 5.1ベータ(kernel-2.6.18-36.el5)のアップグレード範囲は、RHEL 5製品全体に及んでいる。

 リリース告知には、多数の既知のバグについての説明があり、9月4日までがテスト期間だと記されている。例によって開発版リリースとしての警告が適用されるほか、Red Hatはこのベータ版に基づくベンチマークやパフォーマンス値の公表を明確に禁じている。

Shirl Kennedyは、ブログ「DocuTicker」および「ResourceShelf」のシニアエディタ。Information Today紙にも「Internet Waves」というコラムを寄稿。1982年からテクノロジに関する執筆で活躍している。

Linux.com 原文