NY Times:電子版が全面無料に 一部有料化が挫折

 米紙The New York Times は9月17日(現地時間)、ウェブサイトを19日から全面的に無料化すると発表した。2年前から一部の記事や機能を有料化し、収入増を狙っていたが、挫折した。1851年の創刊以来の過去記事も閲覧可能になる。

 同紙は05年9月から、会員制度「TimesSelect」(月7.95ドル)を導入。大半の記事は無料だが、関心の高いコラムニストの寄稿などは、会員以外は読めなくなっていた。しかし、ブログの普及など、新聞社サイトを取り巻く環境が変化。むしろ公開してアクセスを増やし、広告で稼ぐ方が得策と判断した。

 会員限定だったカスタマイズ機能や、メールによるニュース通知サービスも開放する。過去記事も一部が無料(1923年から86年は有料)になった。

 米American Expressが、従来有料だったコーナーに、さっそく広告を掲載する。経済紙の米ウォールストリート・ジャーナルも、将来的に電子版を無料化することを検討しており、米新聞業界の戦略見直しが目立ってきた。【南 優人/Infostand】

The New York Times
http://www.nytimes.com/