東証、新売買システム開発を富士通に委託 Linuxと「PRIMEQUEST」で構築

 東京証券取引所は、2009年後半稼働予定の新売買システムの開発を富士通に委託した。ハードウェアにItanium搭載の基幹業務向けIAサーバ「PRIMEQUEST」、OSにLinuxを採用する。東証の西室泰三社長が2006年12月19日の会見の席上、明らかにしたもので、「技術的な観点から総合的に判断」して決めたとしている。

 新システムの開発は今年3月から準備を進め、秋には海外を含む5グループに仕様書を提示して選定作業を進めてきた。システムの要件としては、注文受付電文や約定電文を100分の1秒以下で処理できる高速性、24時間取引など多様な取引ルールに迅速に対応できる柔軟性などを挙げていた。

 また、富士通が開発した現行システムは昨年から障害が相次いだが、この背景に、取引件数の急増に処理能力増強が追いつかないという要因があったことから、増強が必要なとき「1週間程度で対応可能な拡張性」も条件としていた。

 新システムは、PRIMEQUEST3台を1セットにした10セット構成となる予定。Linux上で稼動する新規開発ソフトウェアについては、東証での稼動後に製品化も検討しているという。富士通は、社長直轄プロジェクトとして専門部署を設立し、全社体制で取り組む。【鴨沢 浅葱/Infostand】

東京証券取引所
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富士通
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