富士通、スーパーカミオカンデの新実験解析システムをLinuxで構築

 富士通は2007年1月12日、東大宇宙線研究所付属神岡宇宙素粒子研究施設の観測装置「スーパーカミオカンデ」の実験解析システムを受注したと発表した。ブレードサーバ「PRIMERGY BX620 S3」270台(540プロセッサ、1080コア)でPCクラスタを構築し、OSにはLinuxを採用した。3月から稼動させる。

 スーパーカミオカンデの現行システムには既に550TBのデータが蓄積されている。研究施設では、今後、観測機器の性能向上に伴って解析データ量も増え、処理性能とデータ転送速度の強化が必要となることから新システム導入を決めた。

 入札の条件は、長期間実験を中断することない移行、現行の磁気テープライブラリ内データの大容量ディスクストレージへの移行などで、十分なCPU能力、高速なネットワーク、高速で大容量のストレージ、24時間体制の迅速なサポート力の有無などで検討されたという。

 新システムは、従来システム比で約35倍の演算性能(SPECint_rate2000実測値)を実現。また、高速分散ファイルシステム「Parallelnavi SRFS for Linux V1.0」を搭載し、計算サーバからの同時大量アクセスに対して、従来の2倍の1秒あたり750MBのデータ転送性能を達成した。【鴨沢 浅葱/Infostand】

富士通
http://jp.fujitsu.com/

スーパーカミオカンデ
http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/sk/